鳥山喜一

鳥山喜一（とりやま きいち）

歴史学者としての生涯

鳥山喜一は、1887年7月17日に東京府本郷区で生まれ、1959年2月19日に生涯を閉じました。東京帝国大学を卒業後、東洋史の研究者として歩み始め、特に満鮮史、渤海史の研究において重要な足跡を残しました。

学術的な業績

鳥山は1928年から1945年まで京城帝国大学の教授を務めました。この間、渤海国の遺跡を求めて満洲（中国東北部）を精力的に調査しました。彼の研究は、当時の学界において画期的であり、渤海史研究のパイオニアとして広く認識されています。

教育者としての貢献

戦後、鳥山は教育者としてもその才能を発揮しました。第四高等学校の校長（第13代）を歴任し、その後、金沢大学教授、富山大学学長などを務め、多くの学生を育成しました。彼の教育に対する情熱は、多くの人々に影響を与えました。

研究内容と著作

鳥山の専門は満鮮史、特に渤海史であり、この分野における彼の研究は、日本における先駆的なものとして評価されています。1926年に初版が出版された著書『黄河の水』は、少年少女向けに書かれた中国通史ですが、その内容の質の高さから中国史の入門書として広く読まれ、現在でも版を重ねるロングセラーとなっています。

渤海史研究における評価

浜田耕策は、自著『渤海国興亡史』において、鳥山の研究を次のように評価しています。「これまでの渤海史研究は、日本、朝鮮、中国、ロシアといった周辺国が自国史に引きつけようとする視点からなされてきた。鳥山喜一の著書『失われた王国』は、『満洲国』における渤海国遺跡の調査を背景としており、名著として高く評価されている。しかし、そこから50年が経過した今日では、周辺国の歴史的状況に左右されない渤海国史を構築することが求められている」。この評価は、鳥山の研究が今日の渤海史研究においても重要な位置を占めていることを示しています。

主な著作

『黄河の水』

資料

特集・鳥山先生追悼録『白山史学』4, 1960
* 「鳥山喜一先生略年譜・主要著作目録」『中央大学文学部紀要』9, 1957年, 179-182頁.

まとめ

鳥山喜一は、歴史学者、教育者として多大な功績を残しました。彼の満鮮史、渤海史研究は、後世の研究者たちに大きな影響を与え続け、また、その著書は、多くの人々に親しまれています。

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