鳥海 (砲艦)

鳥海（ちょうかい）

概要

「鳥海」は日本海軍が保有した砲艦であり、1887年に石川島造船所で進水しました。この艦は、「愛宕」と同型の摩耶型砲艦に属します。艦名は秋田と山形の県境に位置する鳥海山から取られています。

日清戦争や日露戦争といった重要な歴史的事件に関与し、朝鮮半島や清国沿岸の警備任務に従事しました。特に日清戦争では第三遊撃隊の艦として威海衛の攻略作戦に参加しました。また、北清事変にも関連していました。1908年には除籍され、その後は佐世保水雷団における練習船として利用されましたが、1911年には廃船となり、翌年に売却されました。

艦型と特徴

鳥海は「摩耶」と同様、鉄製の船体を持ち、1888年1月には推進器の改良が行われました。新しい青銅製の3翼グリフィス型のプロペラが導入され、異なるピッチ設定により艦の性能向上が図られました。また、竣工時の兵装は21㎝の克砲1門、12㎝の克砲1門、さらに1インチの4連鎖式機砲が2基装備されていました。艦首の主砲の位置は「摩耶」と比較して後方に移動しています。

艦の特徴は以下の通りです：

• - 艦の長さ: 154フィート3インチ（約47.015メートル）
• - 最大幅: 26フィート11インチ（約8.204メートル）
• - 吃水: 前部8フィート8インチ（約2.642メートル）、後部10フィート8インチ（約3.251メートル）
• - 出力: 通常700馬力、強圧通風950馬力
• - 速力: 10ノット

艦歴

1885年、海軍は「愛宕」と同型の砲艦を2隻建造することを決定し、その1隻として「鳥海」が選ばれました。1887年に進水し、翌年には横須賀鎮守府に所属しました。最初の艦長は品川四方一少佐であり、1891年までその職に就いていました。

日清戦争では重要な役割を担い、その後も朝鮮国や清国の警備任務に従事しました。特に日露戦争においては、艦は南山攻撃のための砲撃支援を行い、艦長が戦死するなど激しい戦闘を経験しました。

1908年に除籍された後、「鳥海」は佐世保海兵団における雑役船として利用され、訓練に用いられましたが、最終的には1911年に廃船となり、2012年には売却されることが決定されました。

艦長

艦長の交代もありましたが、以下に主な艦長を記載します：

• - 品川四方一 少佐: 1888年 - 1891年
• - 伊藤常作 少佐: 1891年 - 1893年
• - 上村彦之丞 少佐: 1893年 - 1894年
• - 東郷正路 少佐: 1894年 - 1895年
• - 林三子雄 中佐: 1904年 - 1904年5月26日（戦死）

結論

「鳥海」は日本海軍の歴史の中で重要な役割を果たした艦で、日清戦争から日露戦争にかけて多くの運用実績を持つ艦でした。艦名は山の名称に由来しており、その存在は今も多くの歴史的な記録に残っています。

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