鳥海（ちょうかい）は、
大日本帝国海軍に属する
重巡洋艦で、高雄型
重巡洋艦の4番艦として知られています。艦名は秋田・
山形県境に位置する美しい
鳥海山に由来し、
艦内神社も同地の大物忌神社から分祀されています。鳥海という艦名を持つ艦船は、
摩耶型砲艦の鳥海に続いて2隻目です。さらに、
海上自衛隊においては、
こんごう型護衛艦の4番艦が「ちょうかい」と名付けられています。
鳥海は
1928年3月26日に三菱造船長崎造船所で起工され、同年11月7日に高雄型
重巡洋艦に類別されました。
1931年4月5日に進水し、
1932年6月30日には
細萱戊子郎大佐の指揮下で艦に就役。同日、姉妹艦である摩耶も同時に竣工しました。
艦船としての鳥海は、艦隊の旗艦を頻繁に務め、艦内の艤装が優れていたためにその役割を果たしました。
1933年には第二艦隊旗艦となり、特別演習の際にも青軍の前衛部隊を指揮するなど、海軍内での重要なポジションを確立しました。
日中戦争が始まった
1937年、日中サポートのために中国沿岸で行動し続けました。さらに、
1941年の太平洋戦争勃発時には、
南遣艦隊に所属し、同年12月にはマレー半島上陸作戦に参加しました。
1942年の初め、鳥海は
オランダ領東インド攻略に続く作戦に従事し、敵艦隊との交戦も行いました。特に日本艦隊が連合艦隊との連携によってABDA連合艦隊を撃破した戦いが有名です。
また、
ガダルカナル島の戦いにも参加し、ソロモン海域での重要な作戦に貢献しました。この戦いでは、多くの戦果を上げると共に、激しい空襲にさらされましたが、その都度艦長は巧みに指揮を行いました。
1944年、鳥海はサマール沖での戦闘に参加中、敵
艦載機からの攻撃を受け、船体が大ダメージを受けました。最終的に、救助艦の藤波が乗組員を救助した後、雷撃処分されました。長い歴史と数々の戦いの中で、鳥海は日本海軍の名艦として記憶されています。未だに多くの艦歴が研究され、艦名が語り継がれています。
鳥海は改装計画がありましたが、開戦後は実施されず、戦後、艦名を持つ艦は未来へと受け継がれていきます。艦長たちの指揮の下、神風の中での戦闘や歴史的な艦戦を積み重ねていきました。
