鳥羽 (砲艦)

鳥羽 (とば)

「鳥羽」は、日本海軍が初めて国内で建造した砲艦であり、特に河用の構造を持つ艦艇の先駆けとなりました。艦名は京都の南郊外に位置する名所「鳥羽」から命名されています。この名前は、過去に「伏見」から命名された砲艦との関連性を示唆していると考えられています。

概要

「鳥羽」は海軍が独自に設計・建造した砲艦として特異な存在で、同型艦は存在しません。イギリスで建造された「隅田」や「伏見」が持っていた河流での艦運用の課題を克服するため、機関出力が強化され、最高速力は15ノットに達しました。このようにして河川での運用能力を高めたのです。

艦型及び機関

「鳥羽」には特有の艦型があり、機関部分は川崎造船所で製造されたボイラー2基と、佐世保海軍工廠で製造された直立2気筒2段レシプロの主機3基から成り立っています。設計された蒸気圧は180 psiに達しており、推進は3軸によって行われ、出力は実際には1,522馬力にのぼりました。

兵装

「鳥羽」の兵装は、当初は6ポンド砲2門を装備する予定でしたが、1910年3月により高威力の短3インチ砲2門に変更されることが決まりました。この変更によって、重量が増加したものの、弾薬の定数が減少することで調整が図られました。また、麻式6.5mm機銃4挺も搭載され、戦闘における防衛力を強化しました。

兵装の変遷

時代が進む中で「鳥羽」の兵装も変化を見せました。1920年時点では、四一式短8cm砲2門、陸式機砲1挺、麻式6.5mm機砲6挺、探照灯1基が装備され、1931年時には五年式短8cm高角砲に更新されました。開戦時の1941年には、8cm単装高角砲、連装機銃などが装備されており、運用の多様性を示しています。

艦歴

「鳥羽」の建造は、1910年に始まりました。艦艇補足費の剰余金を利用して同年に進水し、約4カ月のスピード建造で完成しました。1911年11月17日に竣工し、翌日には第三艦隊に編入され、上海での警備任務に従事しました。

第一次世界大戦中には、艦艇の武装解除が行われ、戦況の変化に応じて任務を果たしました。1917年には中国の参戦によって再び任務に戻り、重慶などでの激闘を繰り広げました。

太平洋戦争では、1941年に上海で英砲艦を撃沈した実績を持ちます。1945年に除籍され、中華民国に接収され「永済」となり、後に「郝穴」と改名されました。1949年には中国人民解放軍に投降し、その運命を閉じました。

艦長

「鳥羽」には数名の艦長が就任しており、1911年から1945年にかけて多くの指揮官がその歴史を刻んできました。艦長の中には堀田英夫少佐や三村俊夫少佐などが名を連ね、艦の指揮を執りました。

このように「鳥羽」は、日本の海軍艦艇の中で重要な役割を果たし、多くの歴史的な出来事に関わりました。その独自の設計と艦歴は、今なお多くの人々に語り継がれています。

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