鳥越城

鳥越城について

鳥越城は、石川県白山市三坂町に位置する山城で、大日川を挟んで対岸にある二曲城と共に、国の史跡「鳥越城跡 附 二曲城跡」として指定されています。この城は、手取川と大日川の合流点という戦略的な要所にある丘陵先端部を利用して築かれました。主郭部の標高は312m、東西400m、南北1,200mに及ぶ広大な面積を持ち、頂上を中心とした七つの主要な郭で構成されています。

城の構造

城郭は、本丸、二の丸、三の丸、後二の丸、後三の丸といった主要な郭が、空堀や土塁で区切られ、尾根筋を巧みに利用して配置されています。これらの郭は腰郭によって囲まれ、防御機能を高めていました。この独特な構造は、山城としての地形を最大限に活かした、高度な築城技術の証と言えるでしょう。

歴史

鳥越城は、天正初期（1573年頃）、織田信長による加賀一向一揆討伐の過程で、山内衆と呼ばれる門徒集団の抵抗拠点として築かれました。城主は白山麓山内惣庄の旗本、鈴木出羽守でした。しかし、天正8年（1580年）には織田方の柴田勝家軍によって落城し、鈴木一族は滅亡しました。その後、城は織田方の吉原次郎兵衛の管理下に置かれましたが、白山麓門徒の抵抗は収まらず、激しい攻防戦が繰り広げられました。

天正10年（1582年）3月1日、織田方の佐久間盛政によってついに鎮圧され、三百余人もの人々が磔に処せられるという悲劇に見舞われました。鳥越城は、加賀一向一揆の栄光と挫折を象徴する場所として、その歴史的意義を今に伝えています。この地は、単なる城跡ではなく、人々の信仰と抵抗の歴史を刻んだ重要な場所なのです。

現在の状況

現在、鳥越城跡は史跡公園として整備され、発掘調査に基づいて門や石垣が復元されています。訪れる人々は、往時の城の姿を偲びながら、歴史の重みを感じることができます。また、2017年（平成29年）4月6日には、続日本100名城（136番）にも選定され、その歴史的価値が改めて認められました。

鳥越城は、単なる城跡としてだけでなく、加賀一向一揆という歴史的な出来事を語り継ぐ重要な文化遺産として、後世に伝えていくべき価値を持つ場所と言えるでしょう。

関連情報

道の駅一向一揆の里: 鳥越城周辺には、この地域の歴史を学べる施設があります。
日本の城一覧: 日本各地の城について詳しく知ることができます。
外部リンク:
鳥越城跡附二曲城跡 - 国指定文化財等データベース（文化庁）
* ほっと石川旅ねっと 鳥越城跡 - 石川県観光連盟

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