二曲城

二曲城（ふとげじょう）

二曲城は、石川県白山市出合町に所在した日本の山城です。この城は、大日川を挟んで対岸に位置する鳥越城の付城として機能し、両城は一体として国の史跡に指定されています。別名、府峠城とも呼ばれています。

歴史的背景

二曲城の地は、かつて白山麓の門徒を指導した鈴木氏の本拠地でした。城は鈴木氏の館の背後に築かれた詰城であり、その立地は戦略的に重要な場所であったと考えられます。

城の構造

城は大日川の河畔にそびえる標高267メートルの独立峰に築かれており、山頂は削平されて郭が設けられています。尾根上にも郭や堀が設けられ、山全体を要塞化していました。この構造は、敵の侵入を困難にするための工夫が凝らされていたことを示しています。

落城と奪還の歴史

1580年（天正8年）、二曲城は織田軍の攻撃を受け落城しました。しかし、一向一揆の抵抗はその後も続き、1582年（天正10年）には一揆衆が城を奪還するという激しい攻防が繰り広げられました。しかし、その数ヶ月後には再び織田軍によって落城し、この時、300人余りの一揆衆が処刑され、この地における一揆衆の抵抗は終焉を迎えました。

二曲城は、その歴史を通じて、地域社会における重要な拠点としての役割を担ってきました。戦国時代の激しい戦乱を生き抜いたこの城は、今日、その歴史を静かに物語っています。

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