鳥飼車両基地

鳥飼車両基地の概要

鳥飼車両基地（とりかいしゃりょうきち）は、大阪府摂津市安威川南町に位置する、東海旅客鉄道（JR東海）の関西支社に属する重要な車両基地です。この基地は、東海道・山陽新幹線の車両のメンテナンスと運用を支えるために、複数の施設が集まって構成されています。「鳥飼基地」や「鳥飼車両所」と呼ばれることもあります。

主な施設

鳥飼車両基地には以下のような主要な施設があります：

• - 大阪仕業検査車両所：仕業検査を担当。
• - 大阪修繕車両所：車両の修繕を行う施設。
• - 大阪交番検査車両所：定期的な交番検査を施す機関。
• - 大阪台車検査車両所：台車の検査を専門に行う施設。

設備の詳細

基地内の設備は多岐にわたり、機能的な運用を支えています。次のような線路が備えられています：

• - 着発収容線：17本
• - 電留線：20本
• - 通路線：2本
• - 交番検査線：2本
• - 臨時修繕線：1本
• - 復元線：1本
• - 組替・引上線：3本
• - 台車交換線：2線

また、過去には井戸から地下水を利用したことがありましたが、周辺地域での地盤沈下が懸念され、1977年に環境保全に関する協定が締結されました。これによって、地下水の汲み上げが制限され、工業用水や上水への転換が進みました。摂津市による地下水の汲み上げ禁止条例も制定され、環境問題への配慮がなされています。

災害対策と歴史的背景

鳥飼車両基地は、阪神・淡路大震災時には、兵庫工場で製造された新幹線車両が陸路を遮断され、海上輸送を経て基地まで運ばれるという特殊な対応が求められました。近年では、2019年の台風19号による浸水被害を受け、36億円をかけた対策工事が実施され、信号機器室の移転などが行われました。また、浸水を回避するための手法として過去に成功した実績がありましたが、現在は過密なダイヤの影響で、再現が難しくなっています。

雇用と地域との関わり

JR東海は新幹線において16両編成以外の営業運転を認めていないものの、鳥飼車両基地には他社（JR西日本やJR九州）からの車両も定期的に乗り入れており、本基地はJR九州車両が入る最東端となっています。これにより、多様な視点からの車両メンテナンスが行われ、地域との関係も深まっています。基地周辺には輸送や技術支援に関する産業も集積しており、地域経済にも寄与しています。

結語

鳥飼車両基地は、新幹線の運行を支えつつ、環境への配慮や地域との共生を図る複雑な役割を果たしている重要な施設です。これからも技術力を活かし、発展し続けることが期待されています。

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