鳳バス

鳳バス：読谷村の地域を繋ぐコミュニティバス

鳳バスは、沖縄県読谷村が運営するコミュニティバスの愛称です。地域住民の移動手段を確保することを目的としており、採算性を度外視した住民サービスとして運行されています。県内の他のコミュニティバスとは異なり、実証実験的な意味合いを持たず、公共交通の空白地帯を埋める役割を担っています。

運行概要

鳳バスは、読谷村内を4つの路線で運行しています。年間利用者数は約8万6500人を見込んでおり、運賃収入は年間約1127万円です。一方、年間支出は約2066万円と見込まれ、年間約1000万円の赤字が発生していますが、村は住民サービスの一環として予算を確保しています。しかし、運行開始当初は運賃収入が計画を下回り、赤字額が想定の2倍になる可能性もあり、財政的な課題も抱えています。それにも関わらず、村は住民の要望に応え運行を継続しています。

バスの愛称「鳳」は、読谷村の地形を鳳凰に見立て、自然との調和を未来へ繋ぐという願いを込めて名付けられました。

運行業務は沖縄バスに委託されており、運転手は読谷村在住者が採用されています。既存の路線バスとの乗り継ぎは考慮されておらず、ダイヤは独立しています。

2010年5月には、読谷村在住のオペラ歌手・演出家である大崎雅氏が演じる覆面歌手「鳳バス」が応援キャラクターとして登場しました。これは、乗り物の「バス」と声部の「バス」をかけたユニークな試みで、イベントなどでバスの周知活動を行っています。

沿革

2009年4月1日：北ルート、南ルート、東西ルート、海岸ルートの4路線で運行開始。
2013年4月1日：1ヶ月定期券を値下げ（大人6,160円→5,000円、小人3,080円→2,500円）。
2013年7月29日：路線再編を実施。
北ルートを一部変更。
南ルートと東西ルートを統合し、東西・南ルート（正・逆）とする。
海岸ルートを休止。
休日南北ルートを新設。
一日フリー乗車券を値下げ（500円→400円）。
2016年9月1日：路線再編を実施。
東西・南ルートを南ルート、西ルートに分割。
平日朝の便を登校用ルートとする。
平日朝以外の便をJAゆんた市場発着とする。
休日南北ルートを減便。

現在の路線

平日運行路線

北ルート：村の北部・北西部を循環。
JAゆんた市場を起点とし、読谷村役場、健康増進センター、読谷中学校前などを経由します。
1日に11便運行。一部便は読谷バスターミナル発着。
西ルート：村の西部・南部・東部（国道58号以西）を反時計回りに循環。
JAゆんた市場を起点とし、読谷村役場、健康増進センター、イオンタウン読谷などを経由します。
1日に7便運行。始発便、交代便、最終便は読谷バスターミナル発着。
南ルート：村の東部・南部・西部を時計回りに循環。
JAゆんた市場を起点とし、読谷村役場、健康増進センター、イオンタウン読谷などを経由します。
1日に8便運行。始発便、交代便、最終便は読谷バスターミナル発着。

休日運行路線

休日南北ルート：読谷バスターミナルを起点とし、村の東部・南部・西部を経由。
1日に4便運行。
慰霊の日と年末年始は休日扱い、旧盆は平日扱い。

過去の路線

以前は残波岬や座喜味城などを経由する「海岸ルート」がありましたが、現在は休止されています。

運賃

均一運賃：200円
小中学生・障がい者・65歳以上の高齢者：100円
小学生未満：保護者同伴の場合2人まで無料
回数券：200円券（11枚セット2000円）、100円券（11枚セット1000円）
1ヶ月定期券：一般5000円、小中学生・障がい者・65歳以上の高齢者2500円
1日フリー乗車券：400円、小中学生・障がい者・65歳以上の高齢者200円

回数券、定期券、1日フリー乗車券は沖縄バス読谷出張所で購入できます。これらの乗車券は、沖縄バスの一般路線では使用できません。また、ICカードも利用できません。

車両

専用車両として日野・ポンチョ3台が使用されています。車体色は読谷村の特産品である紅芋をイメージした紫色です。車両の所有・管理は読谷村が行っており、整備などの際は沖縄バスの一般車両が代走します。

関連情報

日本のコミュニティバス一覧
読谷村

外部リンク

読谷村コミュニティバス（鳳バス）
読谷村コミュニティバス運行条例
読谷村コミュニティバスを応援する覆面歌手「鳳バス」のブログ

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