座喜味城

座喜味城：歴史と自然が織りなす世界遺産

座喜味城（ざきみぐすく・ざきみじょう）は、沖縄県読谷村に位置するグスク（城）の跡地です。築城家として名高い護佐丸によって15世紀初頭に築かれたとされ、その美しい曲線を描く城壁は、「続日本100名城」にも選ばれています。2000年には、ユネスコの世界遺産「琉球王国のグスク及び関連遺産群」の一つとして登録されました。

軍事要衝としての座喜味城

標高約125メートルの高台に位置する座喜味城からは、中頭地域を一望できます。その見晴らしの良さから、軍事上の要衝として重要な役割を果たしました。城壁の突出部は、琉球の城郭に特徴的な構造で、防御機能を高めるための工夫と考えられています。また、城門のアーチには楔石が用いられており、アーチ門としては古い形態を示すとされています。

戦争と復興の歴史

座喜味城は、その歴史の中で幾度かの苦難を経験しています。第二次世界大戦中には日本軍によって高射砲陣地が構築されたため、十・十空襲や沖縄戦で壊滅的な被害を受けました。戦後は米軍基地の一部となり、ナイキミサイル基地が設置されるなど、長く利用されてきました。しかし、沖縄返還を機に返還運動が高まり、1974年にようやく返還が実現しました。

その後、発掘調査や城壁の修復が進められ、座喜味城は見事に復元されました。その姿は、かつて基地に駐屯していた退役軍人さえも驚嘆させるほどです。

近年の動向

2018年には、座喜味城跡に隣接して「世界遺産座喜味城跡ユンタンザミュージアム」がオープンしました。このミュージアムでは、座喜味城の歴史や文化について学ぶことができます。

また、座喜味城跡では、演劇などのイベントも開催されています。2000年には、「シェイクスピア in 座喜味 真夏の夜の夢」と題した野外劇が上演され、多くの人々を魅了しました。

座喜味城は、歴史的な価値だけでなく、その美しい景観も魅力です。城跡の高台からは、残波岬や慶良間諸島を望むことができ、訪れる人々を魅了しています。歴史と自然が織りなす座喜味城は、沖縄を代表する観光スポットの一つとして、多くの人々に愛されています。

近年、石井望は「おもろさうし」の解釈から、尚泰久王が護佐丸を中城に移した後、自ら座喜味城下で南海貿易を行い、その記録が『琉球國由來記』に残されているという新説を提唱しています。この説はまだ定説となっていませんが、座喜味城の歴史解釈に新たな視点を提供しています。

座喜味城は、単なる城跡ではなく、沖縄の歴史と文化を象徴する場所です。その美しい景観と豊かな歴史に触れ、沖縄の魅力を再発見してみてはいかがでしょうか。

もう一度検索