鳳翔 (夏)

鳳翔（ほうしょう）は、五胡十六国時代の夏において、君主である赫連勃勃（かくれんぼつぼつ）が使用した元号です。その期間は413年3月から418年10月までの短い期間でしたが、この時代における夏の勢力拡大と周辺国との複雑な関係を示す重要な指標となっています。

鳳翔元年（413年）には、赫連勃勃は北燕（ほくえん）と同盟を結び、北魏（ほくぎ）に対抗する姿勢を明確にしました。この同盟は、北魏に対する共通の脅威に対抗するためのものであり、夏の勢力拡大戦略の一環として位置づけられます。同年、夏の軍勢は山西（さんせい）一帯を攻撃し、北魏との間で激しい戦闘が繰り広げられました。この攻撃は、夏の領土拡大と資源獲得を目的としたものであり、北魏の勢力圏への侵攻を意味しました。

鳳翔6年（418年）には、夏は東晋（とうしん）を破り、長安（ちょうあん）を含む関中（かんちゅう）の諸城を占領しました。この勝利は、夏の軍事力と戦略の高さを示すものであり、赫連勃勃の治世における最大の功績の一つと言えるでしょう。長安の占領は、夏の政治的・経済的な中心地を掌握することを意味し、その後の夏の発展に大きく貢献しました。関中の諸城を支配下に置いたことで、夏はより広範な地域に対する影響力を確立し、周辺国に対する優位性を確立しました。

鳳翔の時代は、夏の勢力が最も拡大した時期であり、赫連勃勃の指導力と軍事的な才能が発揮された時代でもあります。しかし、その後の夏の衰退を考えると、鳳翔の時代は一時の繁栄に過ぎなかったとも言えるでしょう。それでも、鳳翔という元号は、五胡十六国時代の激動と夏の興亡を象徴するものとして、歴史に深く刻まれています。

西暦・干支との対照表

(具体的な西暦・干支との対照表は、参考文献を参照してください。)

参考文献

* 『中国歴代年号考』李崇智（中華書局 2004年）

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