鳴島生

鳴島 生

東京都大田区に生まれた鳴島生（なるしま せい、1940年 - 2003年）は、日本の漫画家です。本名や別名義として、すずき勝利、鈴木勝利（すずき かつとし）の名でも活動しました。

キャリアの初期には、漫画界の巨匠である手塚治虫や横山光輝のもとでアシスタントとして経験を積みました。この貴重な経験が、その後の創作活動の基盤となったと考えられます。

漫画家としてのデビューは、1960年。集英社が発行していた少年雑誌『日の丸』の同年6月号に掲載された『弾丸3号線』で商業誌への第一歩を踏み出しました。この初期の作品は、当時の少年漫画のトレンドに沿った冒険活劇であったと推測されます。

デビュー後、様々な出版社や雑誌で多様なジャンルの作品を発表しました。東邦漫画図書出版の『赤猿』（1963年）のような単行本作品から、『少年』『小学二年生』『小学三年生』といった学習・少年誌の付録や増刊号に掲載された作品まで、その活動範囲は多岐にわたります。『巨人ギルバー』『算数物語ひみつたんてい1号』『たたかえジャングル少年』などはこの時期の作品で、教育的な内容からSF、冒険まで幅広く手掛けたことがうかがえます。また、円谷プロの特撮に関連する『恐竜グワンジ』や、東宝・大映の怪獣映画に関連する『決戦！南海の大怪獣』『ガメラ対深海怪獣ジグラ』といったコミカライズ作品も描いています。特に『ガメラ対深海怪獣ジグラ』は、「すずき勝利」名義で発表されました。

1960年代後半からは、『少年現代』『別冊少年ブック』『別冊週刊明星』『冒険王』『別冊冒険王』といった少年・劇画雑誌にも活躍の場を広げました。『続さすらいの一匹狼』『宇宙怪人ゴースト』『月面探検よみがえるクレーター』『脱獄の惑星』『海に向かって立て』『暗やみのアッパー』などがこの時期の作品リストに見られます。これらの作品には、SF、冒険、スポーツといった少年漫画の王道ジャンルが多く含まれています。また、『週刊劇画クラブ』では『お江戸の空高く登る男伊達』『血風木屋町下ル』『鞘当』『加茂の血煙り』といった時代劇作品も手掛け、劇画表現にも積極的に取り組んでいたことが分かります。

1972年、鳴島生は「鳴島生」へと名義を改めました。この改名後、特に麻雀をテーマとした劇画作品を数多く手掛けるようになります。当時の劇画誌や漫画雑誌で、麻雀は人気の題材であり、鳴島生はこの分野でその筆致を活かしました。『COMコミックス』に掲載された『牌の報酬』『ジンクスを追え』『釘師列伝 駿作ゴト師破り』『マッセーの貞』、漫画サンデーの『この腕売ります』『ザ・牌鬼師』、リイドコミックの『ペン三筒』『もや返し』、増刊漫画ボンの『夕陽の雀マン』などは、この時期の代表的な麻雀劇画作品と言えます。

麻雀劇画以外にも、改名後も引き続き多様な作品を発表しました。牛次郎原作の時代劇『斬鬼』（COMコミックス）、清水一行原作のサラリーマンドラマ『トップ争脱戦 サラリーマンドラマ「重役室」』（別冊サンケイ）、横山光輝原作の人気SF作品をコミカライズした『バビル二世』（冒険王、別冊冒険王）などがあります。これらの作品からは、特定のジャンルに留まらず、求められる題材に応じて柔軟に筆を執る、プロの漫画家としての姿勢が見て取れます。

また、鳴島生のアシスタント経験者としては、後に自身も漫画家として活躍する坂丘のぼるがいました。

1940年に生を受け、2003年にその生涯を閉じるまで、鳴島生は約40年以上にわたり漫画家として活動しました。その作品は少年漫画から劇画、特に麻雀劇画に至るまで幅広く、多角的な創作活動を展開した漫画家と言えるでしょう。

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