ガメラ対深海怪獣ジグラ

ガメラ対深海怪獣ジグラ

『ガメラ対深海怪獣ジグラ』は、1971年7月17日に公開された特撮映画で、昭和ガメラシリーズの第7作目です。本作は大映東京撮影所によって製作され、ダイニチ映配が配給を担当しました。上映時間は88分、映画はカラーで撮影されています。さらに、同時上映として『赤胴鈴之助 三つ目の鳥人』（1958年公開作品のリバイバル上映）が行われました。

ストーリーの概要

物語は1971年の日本を舞台にしています。月面基地が謎の宇宙船に襲われる一方で、世界中で起こる巨大地震は人々に不安をもたらします。その中で、鴨川シーワールド近くで休暇を楽しむ科学者の洋介とトム、そして彼らの子供たち健一とヘレンが宇宙船に誘拐されてしまいます。宇宙船の中から現れたジグラ星人X1号は、地球の海を制御するための降伏を人類に要求し、見せしめとして東京にマグニチュード13の地震を引き起こします。

健一とヘレンは脱出を果たすものの、ジグラ星人は暗殺を命じ、事態は一層緊迫化します。ガメラの登場により、地球防衛軍が結成され、壮絶な戦闘が繰り広げられます。しかし、自衛隊の攻撃は通用せず、鴨川シーワールドに潜むX1号も健一とヘレンを追います。このとき、ガメラは再び飛来し、X1号の宇宙船を破壊し、ジグラ星人は水圧によって巨大化していきます。

ジグラとガメラとの戦いは、彼らの能力と戦術により白熱しますが、ジグラのオレンジ光線によりガメラは一時的に仮死状態にされます。しかし、洋介たちの機転でガメラを復活させ、最終的には壮絶な戦闘の末にジグラを撃破します。

制作の背景

本作は、前作『ガメラ対大魔獣ジャイガー』の成功を受け、さらに高い予算が投入されました。大映が経営不振に陥っていた時期であり、この映画の興行成績がまずまず良好だったことから、続編の製作も検討されていましたが、1971年12月に大映が倒産し、この作品が永田大映のガメラシリーズの最後の作品となりました。

監督の湯浅憲明は、大映倒産の報を受けた後、深い悲しみに包まれ、倉庫で悔しさから物に当たったと伝えられています。

特撮の技術

本作では、海底での特撮描写が特に目を引きます。通常、特撮セットは水槽を用いて手前に設置するものですが、今回は特別にセットの天井にも水槽を取り入れることで、よりリアルな水中感を演出しています。また、鴨川シーワールドをロケ地として活用したため、リアルなミニチュアが制作され、戦闘シーンにおいてその迫力を楽しむことができます。

キャラクターにおいては、ガメラのデザインが改良され、エキスプロダクションによる造形が施されています。ジグラは、高度な文明を持つ知的な水中生物として描かれており、地球を植民地化しようとします。今回は特に、八並映子が演じるキャラクターにお色気的な描写が強調され、より幅広い観客層を意識した作品となっています。

結論

『ガメラ対深海怪獣ジグラ』は、その特撮技術やストーリーテリングにおいて特に評価されており、昭和ガメラシリーズの中でも特に注目される作品となっています。ガメラとジグラとの壮絶な戦闘描写や、複雑なストーリー展開は、特撮ファンだけでなく多くの観客に楽しんでもらえる要素が満載です。この作品は、その後のガメラシリーズや特撮映画に多大な影響を与え、その存在感は今でも色褪せることがありません。

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