鴉宜線

鴉宜線

鴉宜線は、かつて鴉官線として知られていた、焦柳線の支線です。この路線は、焦柳線の鴉鵲嶺駅と宜昌市の宜昌駅を結んでいました。

歴史

焦柳線が1960年代後半に全線開通したのと同時期、葛州ダム水利拠点や原子力産業関連施設などの第三線建設プロジェクトに必要な資材輸送を確保するため、葛州ダム建設現場に直接接続する専用の鉄道支線の建設が計画されました。さらに、湖北省は宜昌製鉄所の建設と、その原料となる官荘鉄鉱山の開発のため、鉄道支線の整備を必要としていました。当初、この支線は宜昌県官荘まで延伸される予定であり、鴉鵲嶺から官荘までの区間は「鴉官線」と名付けられました。

鴉官線は、焦柳線の鴉鵲嶺駅を起点とし、紅土、新昌、花艶、宜昌、小渓塔を経由して官荘に至る全長58.3kmの路線として、1970年6月18日に建設が開始されました。このうち、鴉鵲嶺から宜昌市までの38.3kmの区間は1971年7月28日に完成し、同年11月28日に国家の検収を受け、正式に襄樊鉄道支局に移管されました。12月8日に同区間が開業し、一方、宜昌市から官荘までの区間は1972年10月に敷設が完了し、鴉官線は全線開通となりました。ただし、宜昌から小渓塔までの12kmの区間は、一時的に葛州ダム工程局に賃貸されていました。1973年6月3日に全線の受け渡し手続きが完了し、7月1日より襄樊鉄道支社による運行が開始されました。

1988年、宜昌製鉄所の閉鎖に伴い、小渓塔から官荘までの区間は官荘駅とともに廃止され、鴉官線は「鴉宜線」に改称されました。1998年には、襄樊鉄道支線が小渓塔線の改良工事を実施しました。2000年時点で、鴉宜線の旅客輸送は宜昌駅から36.6kmの区間に、貨物輸送は小渓塔駅から49kmの区間に限定されていました。

2010年12月22日には、宜昌東駅（旧花艶駅）が開業し、宜昌駅の旅客輸送機能は徐々にこの駅に移管されました。2012年7月1日以降、宜昌駅に停車する旅客列車はなくなりました。2016年、宜昌市は宜昌東駅から小渓塔駅までの区間を都市鉄道に転換する計画を立てましたが、この計画は認可されませんでした。2023年現在、宜昌駅から小渓塔駅までの区間は事実上10年間廃止されたままとなっています。

改造計画

現在、宜昌東駅と小渓塔駅の間の約21kmの区間について、鉄道を改修し、9つの駅を設置する計画があります。この計画では、単線ディーゼル機関車を使用した観光列車を運行することが想定されています。

参考文献

焦柳線
宜昌市

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