鵜島 (今治市)

鵜島について

鵜島（うしま）は、愛媛県今治市に位置する小さな島です。その地理的特徴は、瀬戸内海の中心部にあり、大島と伯方島の間の宮窪瀬戸に挟まれた場所に存在しています。島全体の面積は約0.76平方キロメートルで、南北に約1.5キロ、東西に約0.8キロの大きさを誇ります。周囲は崖に囲まれており、島の中央には標高84メートルの小高い山があります。この地域は潮流も速いため、自然環境は非常にダイナミックです。

地名の由来

鵜島の名前の由来として言われているのは、鎌倉時代の名将・足利義満にちなんでいます。伝説によれば、義満が一対の鵜を島に放ったところ、やがてその鵜が繁殖したため、島にこの名が付けられたとされています。鵜は古くから漁業や水軍にとって重要な存在であったことから、島名には特別な意味が込められています。

歴史

中世の鵜島は、能島村上水軍の船隠しや水を汲むための場として利用され、ここには代官所や奉行所、さらには造船所までもが存在したとされています。現在でも、当時の遺跡を見ることができ、島の南端には城郭跡も残っています。これらの史跡は鵜島の歴史を物語る貴重な文化財として存在しています。

江戸時代には、農民が佐島から移り住んだことで島の人口が増加しました。島は「宇島」や「右島」とも書かれ、今治藩の一部として栄えていました。特に、織田信長の末裔とされる織田信義がこの島を拝領し、代々組頭として島の運営に関わっていました。彼の後継者である第4代組頭は、1772年に堂を建立しています。

生活

近代においては、明治から大正にかけて造船所が機能し、多くの人々がこの島で生活していました。1950年代の国勢調査によると、鵜島の人口は206人に達していましたが、現在は大幅に減少し、2015年の調査ではわずか23名の島民が暮らしています。生活様式としては、現在もみかん農家が存在し、島民の姓は主に織田（平氏）と福羅（源氏）の2つに分かれています。

また、大正から昭和時代には海運も盛んであり、島の経済に貢献していました。鵜島での生活は、少人数ながらも和やかなコミュニティが形成され、地域資源を利用した独自の産業が根付いています。

交通

鵜島へのアクセスは、島周辺を運航するフェリーによって行われています。特に宮窪（大島）や伯方島との間には定期的に船が運航され、島民や観光客の移動がスムーズに行える体制が整っています。この海の交通は、鵜島と周辺地域を繋ぐ重要な役割を果たしています。

鵜島はその独自の自然環境と歴史、文化的背景のおかげで、訪れる人々に様々な魅力を提供してくれる場所です。

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