織田信義

織田信義（おだ のぶよし）は、江戸時代中期に活躍した旗本です。通称は十次郎、刑部、弥十郎といい、従五位下・肥後守の官位を持っていました。丹波国柏原藩主であった織田信包の四男、信当を始祖とする旗本織田家3000石の4代目当主にあたります。

信義は旗本織田長喬の次男として生まれましたが、後に旗本織田信政の養子となりました。享保13年（1728年）10月9日、養父である信政の隠居に伴い家督を相続し、織田家の当主となります。その後、享保20年（1735年）4月9日には小姓組に加えられ、幕府の役人としてのキャリアをスタートさせます。小姓組組頭、小普請組支配といった役職を歴任し、その能力を発揮しました。

宝暦3年（1753年）4月7日には、作事奉行に任命され、幕府の建築や土木事業に携わる重要な役割を担います。同年12月18日には、従五位下・肥後守に叙任され、その功績が認められました。安永2年（1773年）12月3日、信義は隠居を決意し、家督を養嗣子とした孫の信彭に譲りました。隠居後は竹翁と号し、静かな晩年を過ごしたとされています。天明6年（1786年）11月27日、79歳でその生涯を閉じました。

信義には9人の男子と5人の女子がいました。実子としては、長男に成瀬正常（成瀬政方の養子）、次男に織田信直（高家旗本・織田信倉の養子）、四男に織田信昆、八男に大河内政良（大河内政義の養子）がいます。また、養子として、織田信政の長男である織田信寛と、織田信昆の次男である織田信彭を迎えました。信彭は信義の跡を継ぎ、織田家の当主となっています。信義は、多くの子供たちと養子に恵まれ、その血筋は後世にも受け継がれていきました。

信義の妻は、正室が養父である織田信政の長女であり、継室には織田信清の長女であるお道を迎えましたが、後に離婚しています。このように、信義は婚姻関係を通じて、他の旗本家との関係を深めていったと考えられます。

織田信義は、旗本として幕府の要職を歴任し、その生涯を通じて江戸幕府に貢献しました。その足跡は、江戸時代の旗本の歴史を語る上で、重要な一例として挙げられるでしょう。

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