鵜崎多一

鵜崎多一（うざき たいち）

鵜崎多一は、1905年3月4日に京都市で生まれ、1971年9月11日に66歳で逝去した日本の政治家です。福岡県知事（公選）を2期8年務めました。

生い立ちと学歴

鵜崎は、宗教家で学校法人鎮西学院院長を務めた鵜崎庚五郎の四男として誕生しました。鎮西中学校、第二高等学校理科甲類を経て、1928年に東京大学農学部農経科を卒業しました。

官僚としてのキャリア

大学卒業後、鵜崎は農林省に入省し、官僚としてのキャリアをスタートさせました。福島県農地部長、福岡地方経済安定局調整部長、福岡県知事室長などを歴任し、行政手腕を磨きました。

福岡県知事としての活動

1959年4月、鵜崎は福岡県知事選に出馬し、見事当選を果たしました。当時、全国で唯一の社会党公認知事として、注目を集めました。エネルギー政策の転換期において、産炭地域であった福岡県が直面した様々な問題に積極的に取り組みました。炭鉱閉鎖による失業者救済のための「黒い羽募金運動」を提唱し、産炭地の振興、労働者や住民の福祉の確保に尽力しました。

知事としての政策

鵜崎県政は、以下の点に重点を置いていました。

失業対策: 炭鉱閉鎖に伴う失業者の救済を最優先課題とし、雇用創出のための様々な施策を講じました。
産炭地振興: 炭鉱閉鎖後の地域経済の活性化を目指し、産業構造の転換を支援しました。
福祉の充実: 労働者や住民の生活安定のため、社会保障制度の拡充に努めました。

日中友好運動

鵜崎は、日中友好運動にも熱心に取り組みました。1961年には、日中友好協会訪中地方自治友好代表団長として中国を訪問し、両国の友好関係の促進に尽力しました。

知事落選と晩年

3選を目指した1967年の知事選挙では、亀井光に4,000票差で敗れ、県知事を退任しました。1971年9月11日、癌性腹膜炎のため66歳で逝去しました。

参考文献

西日本新聞社編『福岡県百科事典』西日本新聞社

鵜崎多一は、福岡県知事として、県民の生活向上と地域社会の発展に大きく貢献しました。その功績は、今もなお語り継がれています。

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