鵜沼インターチェンジ

岐阜県各務原市鵜沼東町に位置する「うぬまインターチェンジ」は、地域の交通網において重要な役割を担う施設です。これは、高速道路のインターチェンジのように高規格な自動車専用道路同士を結ぶものではなく、一般の国道バイパスと主要地方道が交差する地点に設けられた、地域に根ざしたインターチェンジという性格を持っています。

接続する主要な道路

このインターチェンジが結んでいるのは、主に以下の道路です。

国道21号鵜沼バイパス: 各務原市内を東西に走り、岐阜市方面や愛知県犬山市方面へ接続する幹線道路です。
国道21号坂祝バイパス: 鵜沼バイパスから北へ分岐し、坂祝町方面へ向かうバイパス道路の起点となる区間です。将来的にはさらに北へ延伸する計画もあります。
* 岐阜県道207号各務原美濃加茂線: 各務原市鵜沼地区から北へ、美濃加茂市方面へ向かう主要地方道です。

鵜沼インターチェンジは、これらの道路が互いに接続し、各方面へのアクセスを可能にする結節点として機能しています。特に、国道21号の東西方向の交通と、坂祝方面や県道207号沿いの地域を結ぶ南北方向の交通をスムーズにつなぐ役割を担っています。

インターチェンジの誕生と構造

鵜沼インターチェンジは、比較的近年になって供用が開始されました。正確な開設日は2009年（平成21年）3月20日です。この開通は、国道21号坂祝バイパスが部分的に開通したのに合わせたものでした。具体的には、鵜沼インターチェンジから北へ進んだ先にある勝山インターチェンジまでの区間が、この日に合わせて開通し、鵜沼インターチェンジはその新しいバイパスへの主要な出入り口として機能を開始しました。

構造上の最大の特徴は、一般的な高速道路のインターチェンジのようなランプウェイによる立体的な接続ではなく、平面交差である点です。これは、国道21号鵜沼バイパス（および岐阜県道207号の一部区間と実質的に同じルートを共有している区間）の東西方向の車線と、国道21号坂祝バイパスの北方向への車線が、信号機によって交通整理される交差点として接続しているということです。交差点の形状としては、東西方向の直線的な道路に対して、北方向への道路が接続するT字形に近い形をしています。平面交差であるため、交通の流れは信号機のサイクルに影響され、特に交通量の多い時間帯には待ち時間が発生する可能性がありますが、地域内の一般道路との連続性が高いという側面もあります。

周辺に見られる施設と地域との関わり

鵜沼インターチェンジの周辺地域は、歴史的な背景と現代の生活が混在するエリアです。インターチェンジから南へ少し進むと、かつて中山道の宿場町として栄えた鵜沼宿の跡があり、今もその面影を残す歴史的な町並みが一部保存されています。この鵜沼宿の近くには、名古屋鉄道各務原線の鵜沼宿駅があり、インターチェンジの利用者はここから鉄道への乗り換えも可能です。

また、周辺には地域の生活を支える施設も点在しています。例えば、地域の郵便業務を担う各務原東郵便局や、義務教育を行う各務原市立鵜沼第一小学校などがインターチェンジからアクセスしやすい範囲にあります。自然環境としては、この地域を流れる大安寺川の存在も挙げられます。さらに、製造業などを営む菊川本社のような事業所もあり、これらの施設へのアクセスポイントとしても鵜沼インターチェンジは利用されています。

地域交通における意義

鵜沼インターチェンジは、国道21号という広域的な幹線道路と、地域内の道路ネットワークを結びつけることで、各務原市鵜沼地区や周辺地域へのアクセスを大幅に改善しました。特に、坂祝バイパスの開通とともに設けられたことで、各務原市と坂祝町、さらにはその先の地域との間の交通利便性を高める効果が期待されます。平面交差という構造は、地域の一般道路からの利用のしやすさという利点がある一方で、交通量が増加した際には渋滞の原因となる可能性も秘めています。しかし、地域住民の日常生活における移動や、地域産業を支える物流、さらには観光客の誘致など、多岐にわたる面でこのインターチェンジが果たす役割は大きく、地域の発展に貢献する重要な交通施設と言えるでしょう。日本の数多あるインターチェンジの一つとして、鵜沼インターチェンジは岐阜県南部の交通ネットワークを形成する上で欠かせない存在となっています。

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