鵜飼猛

鵜飼猛：信仰と教育に生涯を捧げた牧師

鵜飼猛（うかい たけし）は、慶応元年12月13日（1866年1月29日）に生まれ、昭和23年（1948年）5月6日に没した日本の牧師です。彼は、法学者として知られる鵜飼信成や、銀座教会の名誉牧師を務めた鵜飼勇の実父でもあります。その生涯は、信仰と教育への情熱に満ち溢れていました。

生い立ちと渡米

鵜飼猛は、松江に生まれました。明治12年（1879年）には、同郷の鵜飼渚の養子となります。明治18年（1885年）、東京府立第一中学校を中退し、美山貫一を頼ってサンフランシスコへ渡ります。この渡米が、彼の人生における大きな転換点となりました。

受洗と牧師への道

明治19年（1886年）、サンフランシスコの中国人伝道館で洗礼を受け、キリスト教に入信します。その後、アイオワ州のシンプソン大学で学び、信仰を深めました。明治27年（1894年）には、アメリカ・メソジスト教会で按手礼を受け、牧師となります。

日本での牧師としての活動

明治28年（1895年）、鵜飼猛は帰国し、青山美以教会（のちに銀座教会と合併）で牧師としての活動を開始します。明治29年（1896年）4月には、中央美以教会（のちの銀座教会）に転任し、3代目牧師となりました。彼は、教会での説教や信徒の指導を通して、人々に福音を伝えました。

明治34年（1901年）1月1日には、矢嶋楫子の娘である妙子夫人との間に長女・清子が誕生。その後も、信成、勇と子宝に恵まれました。明治39年（1906年）4月には、鎌倉メソジスト教会（現・日本基督教団鎌倉教会）に転任。河合禎三と共に日本教会学校協会を創設し、主事として日本の教会学校の推進に尽力しました。教会学校は、子どもたちにキリスト教の教えを分かりやすく伝えるための重要な教育機関であり、鵜飼猛はその発展に大きく貢献しました。

明治40年（1907年）5月、日本メソジスト銀座教会（のちの日本基督教団銀座教会）へ再赴任し、4代目牧師となります。その後、駒込教会への転任を経て、明治43年（1910年）3月には再び日本メソジスト銀座教会へ戻り、6代目牧師となりました。大正11年（1922年）には、四男の勇が誕生しています。大正13年（1923年）3月、鎌倉メソジスト教会（現・日本基督教団鎌倉教会）へ転任。

晩年

昭和23年（1948年）5月6日、鵜飼猛は生涯を閉じました。彼の信仰と教育への貢献は、今もなお多くの人々に影響を与え続けています。

参考文献

『日本キリスト教大事典』教文館、1988年
『銀座教会百年史』日本基督教団銀座教会、1994年4月25日

外部リンク

銀座教会WEB
日本キリスト教団鎌倉教会
* 日本基督教団駒込教会

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