教会学校

教会学校・日曜学校とは

教会学校（チャーチスクール）や日曜学校は、キリスト教の教会や仏教の寺院が、主に幼児や児童を対象として、宗教的な教育や道徳教育を行う活動です。それぞれの宗教宗派が採用し、普及してきました。

キリスト教における教会学校

キリスト教における教会学校の起源は、1780年にイギリスのロバート・レイクスが個人的に始めた宗教教育・道徳教育であると言われています。プロテスタントや正教会では、救世軍などを除き、「教会学校」（チャーチスクール：church school、CS）と呼ばれるのが一般的です。カトリック教会では、現在でも「日曜学校」という名称がよく用いられます。セブンスデー・アドベンチスト教会（SDA教会）では、安息日である土曜日に「安息日学校」が行われます。

バプテストやSDA、ホーリネスなどの一部教派では、児童だけでなく成人を対象とした活動も行われています。内容は、聖書や教会に関する絵や工作、児童向けの賛美歌、子供向けに書き直された聖書の物語などです。中学生以上を対象とする場合は、通常の聖書を用いて短い説教や証が行われ、成人向けの早朝礼拝として扱われることもあります。

日本のエキュメニカル派やリベラル派の教会では、布教や伝道、少子化による信徒の子どもの減少といった背景から、一般の人が気軽に立ち寄れるよう、七夕やハロウィン、七五三、節分、こどもの日や雛祭りなど、他宗教に由来する行事を取り入れることがあります。一方、福音派では、これらの行事を異教の偶像崇拝として否定的に捉えることがあります。読み書きの勉強やキャンプなどの野外活動は、いずれの教派でも行われることがあります。

教団によっては、教会学校指導の専門職である「キリスト教教育主事」を置く場合があります。日本基督教団では、かつて聖和大学や青山学院大学で主事の養成が行われていましたが、現在は幼稚園教諭や保育士養成機関である教団関係学校や教団立（東京神学大学）ならびに教団認可神学校での単位取得によって受験資格を与える制度に移行しています。

過去には、日曜日の授業参観よりも教会学校を優先したことが欠席処分となり、民事裁判に発展した事例もあります（日曜日授業参観事件）。

オルタナティブ教育としてのチャーチスクール

「チャーチスクール」という言葉は、進化論や同性愛など、一般的な学校のカリキュラムに賛同できない場合に、教会付属の学校で異なる教育方針を受けるオルタナティブ教育の場を指すこともあります。ホームスクーリングという形態も存在します。

仏教における日曜学校

日本の仏教における日曜学校は、中世の寺子屋が発祥とされています。現在でも、その流れを汲んだ形で、各宗派が仏の教えを広め、学校教育では失われつつある道徳教育を行っています。

内容は宗派によって異なりますが、寺院に子どもたちを集め、釈迦や如来などの教えを広めることを目的としています。対象となる児童は、檀家や門徒、信徒の子どもたちですが、寺院の息子や娘の同級生などが参加することもあります。

浄土真宗などでは、従来の日曜学校を拡充した「キッズサンガ」という活動が行われており、広義には日曜学校の一部とされています。また、各寺院では、日曜学校やキッズサンガの他に、サマースクールと呼ばれる夏休みの宿泊型イベントが行われることもあります。

関連項目

キリスト教
日本の仏教

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