鵜飼菜穂子

鵜飼菜穂子について

鵜飼菜穂子（うかい なほこ）は1959年10月4日、愛知県名古屋市に生まれた元ボートレーサーである。岐阜県立長良高等学校を卒業し、1980年に本栖研修所に入所、1981年に正式にデビューした彼女は、公営競技女子最高齢勝利の記録を保持するなど、多くの成果を上げている。

幼少期と競艇選手を目指すきっかけ

父親は銀行員で転勤が多く、鵜飼は宇都宮や岐阜、高山、豊橋と多くの都市で育った。高校卒業後、彼女は名古屋市で浪人生活を送り、奈良女子大学の受験に何度も失敗した。そのような中、蒲郡競艇場で見つけた「男女募集中」「平均年収1200万円」というポスターが、彼女の人生を大きく方向転換させるきっかけとなった。この出会いとともに、当時女性選手としてデビューした田中弓子への憧れもあり、競艇選手という道を選ぶこととなった。

競技生活の始まり

鵜飼は本栖研修所を卒業後、蒲郡競艇場での練習中に大時計に衝突するという事故を経験し、そのためデビューは同期と比べ半年遅れることになった。しかし、1989年には優勝回数・勝率・獲得賞金の3部門で女子最高の成績を達成し、1990年代には女子王座決定戦を3連覇した。

彼女は、当時女子選手がSG（特別競走）に出る機会が少なかったこともあり、パイオニアとして信じられないような戦績を残した。視力検査に問題が発生し、一時登録を抹消された時期もあったが、仲間の励ましを受けて復帰、さらなる活躍へとつながった。

競技成績と功績

鵜飼は通算7077戦で1692勝という驚異的な成績を収めた。レース中の進入コースに関して、彼女は通常の新人選手とは異なり、デビュー戦では思い切ってセンターコースに進入した。この行動は周囲の驚きを呼び、彼女のジャーナリズム的な素質を物語っている。

特に1990年代には、SG笹川賞にも9回出場するなど、数々の重要なレースで活躍した。2008年には、女性レーサーとして初めてG1名人戦に出場し、顕著な成績を残すなど、その実力を証明した。さらに、引退までの間に通算1500勝を達成し、多くのファンの心をつかんだ。

引退後の活動

2020年10月に現役を引退した鵜飼は、ボートレースとこなめの公式YouTubeチャンネル「にゃんこの目」で活動を開始した。講談師の旭堂南鷹と共に番組の司会を務め、ボートレースの魅力を広める役割を果たしている。

人物・エピソード

鵜飼はワイン好きで、自身のワインセラーを大切にしている。また手芸やゲームなど趣味も多彩で、実況アナウンサーからは「インの鬼姫」や「東海の女王蜂」と称されることも多い。彼女の活躍は多くの後輩選手や女性選手に影響を与えており、今後もその存在感は色あせることがないだろう。鵜飼菜穂子の物語は、競艇界における女性の地位向上の象徴として、これからも語り継がれるに違いない。

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