鶏知重砲兵大隊

鶏知重砲兵大隊について

概要

鶏知重砲兵大隊（けちじゅうほうへいだいたい）は、1920年から1936年まで日本の長崎県対馬に位置していた沿岸砲兵部隊です。この部隊は対馬要塞の実働部隊として、対馬海峡を通過する艦船の防衛を主な任務としていました。前身は対馬重砲兵大隊で、1936年には鶏知重砲兵連隊と改組されました。

設置から改組までの経緯

1920年まで対馬には対馬警備隊が設置されており、その指揮下に二つの部隊が存在していました。軍令の変更により、1920年8月10日に対馬警備隊司令部が対馬要塞司令部に改称され、水兵大隊は解散しました。その後、12月1日には対馬重砲兵大隊が鶏知重砲兵大隊に改名され、これが新たな体制の始まりとなりました。

当時、鶏知重砲兵大隊は対馬要塞における唯一の部隊であり、その指揮を砲兵中佐が執りました。平常時には兵員が配備されていない砲台は要塞司令部が管理し、鶏知重砲兵大隊は必要に応じてその施設を借りて訓練を行っていました。改称当初は3つの中隊がありましたが、1922年には第3中隊が解散しました。

1936年6月1日、さらなる組織変更があり、2個中隊のまま鶏知重砲兵連隊として再編成されました。これにより部隊の規模が整理され、効率的な運営が図られることとなりました。

年表

以下に鶏知重砲兵大隊に関する主要な出来事の年表を示します。

• - 1920年12月1日: 対馬重砲兵大隊が鶏知重砲兵大隊に改称される。
• - 1921年: 多功崎砲台での射撃演習中に砲が破損し、廃止された長崎重砲兵大隊から新たな砲を受領。
• - 1922年: 第3中隊が解散され、他の装備も更新される。
• - 1925年から1930年: 新しい榴弾砲や高射砲の受領が続き、装備の近代化が進む。
• - 1936年6月1日: 鶏知重砲兵連隊に改組される。

組織構成

鶏知重砲兵大隊は、設立から1922年までの間は以下のような組織構成でした。

• - 大隊本部
• - 第1中隊
• - 第2中隊
• - 第3中隊

1922年以降は、第3中隊が解散し、組織は次のようになりました。

• - 大隊本部
• - 第1中隊
• - 第2中隊

歴代大隊長

この部隊の歴代の指揮官には以下の人物がいました。

• - 藤沼章六（砲兵中佐）：1920年 - 1923年
• - 小幡清見（砲兵中佐→大佐）：1923年 - 1924年
• - 岡島詳吉（砲兵大佐）：1924年 - 1928年
• - 馬淵満治郎（砲兵中佐）：1928年 - 1930年
• - 武藤晋（砲兵中佐）：1930年 - 1933年
• - 渡辺森次（砲兵中佐）：1933年 - 1935年
• - 滝弘忠（砲兵中佐）：1935年 - 1936年6月1日（その後連隊長に就任）

結論

鶏知重砲兵大隊は、対馬地域の防衛における重要な役割を果たし、その歴史的な経緯は日本の軍事組織における変遷を物語っています。これらの部隊は地域の安全保障に貢献し、戦争のさまざまな局面で努力し続けたことが評価されています。

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