鶯谷町

東京都渋谷区に位置する「鶯谷町」（うぐいすだにちょう）は、区の南西部に広がる町域です。他の多くの町とは異なり、「丁目」の設定がない単独町名です。この地域は、主に落ち着いた雰囲気を持つ住宅地が中心ですが、一部にはオフィスビルや店舗も点在しています。

地理

鶯谷町は渋谷区の西南部に位置しており、北は桜丘町、東はJR山手線を挟んで渋谷、南は猿楽町、西は鉢山町とそれぞれ隣接しています。地理的には、周辺の桜丘、鉢山、代官山といった台地に囲まれた谷あいの地形をなします。町内は主に静かな住宅地が広がり、高級マンションなども見られます。一方で、オフィスビルや店舗も見られる一面も持ち合わせています。なお、山手線にある鶯谷駅（台東区）は、当地とは全く別の場所です。

歴史

鶯谷町の歴史は比較的近代に始まります。1928年（昭和3年）、当時の渋谷町にあった大字下渋谷の一部（字猿楽）、大字中渋谷の一部（字並木前、字長谷戸）が統合され、「大字鶯谷」が成立しました。その後、1932年（昭和7年）に渋谷町が渋谷区に編入されるとともに、この大字鶯谷は渋谷区鶯谷町となりました。そして、1970年（昭和45年）に実施された住居表示により、現在の町域が確定し、今日に至っています。

地名の由来

町名の「鶯谷」は、この地にかつて流れていた三田用水鉢山口分水に架かっていた橋の名前「鶯橋」に由来するとされています。河川が流れていた地形的な背景から、周辺の台地に挟まれた谷状の土地であったことが、「谷」が含まれる要因となったと考えられます。

現状

渋谷区の発表によると、2024年（令和6年）12月1日現在の人口は1,781人、世帯数は974世帯です。これらのデータは国勢調査などで推移が確認されています。また、2021年（令和3年）の経済センサス調査によれば、町内には202の事業所があり、そこで働く従業員は2,162人です。

交通面では、鶯谷町内に鉄道駅はありませんが、渋谷駅（JR各線、東京メトロ各線など）や、東急東横線の代官山駅が利用可能範囲にあり、都心への移動に便利です。

町内には、宗教施設である乗泉寺、集合住宅のうぐいす住宅、公立学校の渋谷区立鉢山中学校、専門学校の青山製図専門学校などが立地し、地域の生活や教育を支えています。

郵便

鶯谷町の郵便番号は「150-0032」であり、郵便物の集配業務は渋谷郵便局が担当しています。

まとめ

鶯谷町は、渋谷の中心部からほど近い立地でありながら、静かで落ち着いた住環境が保たれているエリアです。歴史的な地名が示す通り、かつての地形を背景に発展してきました。住宅地を主体としつつも、一部に事業所や教育機関、宗教施設なども点在する、多様な要素を持つエリアです。

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