鶴子銀山

鶴子銀山：佐渡最古の銀山跡

鶴子銀山は、安土桃山時代から昭和時代にかけて、佐渡島で採掘されていた鉱山です。現在の新潟県佐渡市（旧佐和田町）に位置し、佐渡島内でも最も古い鉱山のひとつとして知られています。

歴史

1542年、露頭から銀の採掘が開始された鶴子銀山は、1595年に石見銀山の山師を招き、本格的な坑道採掘へと発展しました。銀を求めて多くの人々が集まり、「鶴子千軒」と称されるほどの繁栄を誇りました。麓の沢根には港が整備され、銀の積み出し港として重要な役割を果たしました。

しかし、佐渡島内の金銀採掘の中心は、その後、相川金銀山（相川鉱山）へと移ります。1603年には鶴子の代官所（陣屋）が相川に移転し、鶴子銀山は徐々に銀の採掘量を減らしていきました。18世紀中ごろからは銅の採掘が主となり、1946年に閉山しました。鶴子銀山で培われた採掘技術は、相川金銀山で応用されたと言われています。

2011年には、史跡「佐渡金銀山遺跡」の一部として追加指定され、その歴史的価値が認められました。

鶴子銀山の採掘跡には、地表に露出した鉱石を採掘した露頭掘りの百枚平、沢の斜面に見られる鉱脈を地形に沿って追った樋追い掘りの屏風沢、トンネル状の横穴である大滝間歩、そして最期まで採鉱が行われていた斜坑を伴う本口間歩跡など、様々な掘削技術の変遷を物語る遺構が残されています。2002年から2007年にかけて行われた銀山遺跡の分布調査では、大小合わせて675ヶ所の採掘跡が確認されています。

鶴子道

鶴子銀山で採掘された銀を島外へ搬出するため、真野湾の沢根五十里へと続く鶴子道（五十里道とも呼ばれます）が整備されました。相川金銀山の開発が進むと、鶴子銀山を経由して相川まで道が延伸され、西五十里道と呼ばれるようになりました。しかし、この道は急峻で険しく、島南部に新たな搬出拠点となる小木港が整備されたことから、寛永5年（1628年）に中山峠を経由して真野湾沿いに小木に至る相川往還が開通し、物流の流れが変化したことで廃れていきました。

鶴子道には、本線の他に各坑道へと繋がる大滝道・百枚道や、青野峠を越える青野道などの支線、沢根港へと至る沢根道が複数並走していました。

鶴子銀山は、佐渡の金銀山開発の歴史において重要な役割を果たした鉱山であり、その遺跡群は貴重な文化遺産として保護されています。

関連項目

佐渡金山
大須銀山

外部リンク

さど観光ナビ：鶴子銀山 佐渡市公式観光情報サイト
佐渡金銀山 新潟県教育庁文化行政課 世界遺産登録推進室
* 各種パンフレット等 佐渡金銀山を世界遺産に 佐渡市世界遺産推進課

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