鶴岡啓一

鶴岡啓一（つるおか けいいち）は、1940年5月18日に生まれた日本の政治家、官僚です。千葉市長を第24代、第25代と二期務めました。

生い立ちと官僚時代

千葉県千葉市（現在の中央区）で生まれ、千葉県立千葉高等学校、東京大学法学部を卒業後、1963年に自治省（現在の総務省）に入省しました。

自治省では、本省勤務のほか、建設省、国土庁、福島県、山口県などへの出向を経験し、地方行政に深く関わりました。自治省大臣官房審議官を最後に退官するまで、様々な役職を歴任しました。

千葉市助役から市長へ

1994年4月、鶴岡氏は千葉市助役に就任し、2000年10月まで務めました。その後、2001年6月17日の千葉市長選挙に、自民党、公明党、保守系の3党からの推薦と連合千葉の支援を受けて立候補しました。

選挙戦では、共産党推薦の元市議や民主党推薦の元県議など、5人の候補者との激しい争いを制し、見事初当選を果たしました。

2005年の市長選では、自民党と公明党の支持を得て組織選挙を展開し、元郵政省職員の候補者ら3人を破り再選しました。これにより、2期目の市長としての活動をスタートさせました。

失脚と逮捕

2008年12月4日、鶴岡氏は千葉市議会本会議で、次期市長選挙への不出馬を表明しました。しかし、その直後の2009年4月22日、千葉市が発注した公共事業を巡り、東京都内の建設会社に便宜を図った見返りに100万円を受け取ったという収賄容疑で逮捕されました。この事件により、5月1日に千葉市長を辞職することになりました。

鶴岡氏の辞職に伴い、後任の千葉市長を選ぶ選挙が行われました。この選挙には、鶴岡氏の後継として副市長の林孝二郎氏が出馬しましたが、民主党が擁立した熊谷俊人氏に敗れる結果となりました。

裁判と判決

2011年3月、東京地方裁判所は収賄罪を認め、鶴岡氏に懲役2年6月、執行猶予4年、追徴金200万円の有罪判決を言い渡しました。鶴岡氏は判決を不服として控訴しましたが、2012年2月、東京高等裁判所は一審の判決を支持し、控訴を棄却しました。

さらに鶴岡氏は最高裁判所に上告しましたが、2013年9月、最高裁は上告を棄却し、一審、二審の判決が確定しました。この結果、鶴岡氏は有罪が確定し、失脚することになりました。

年譜

1959年3月 - 千葉県立千葉第一高等学校卒業
1963年3月 - 東京大学法学部第2類（公法コース）卒業
1963年4月 - 自治省（現在の総務省）採用
1968年9月 - 福島県婦人児童家庭課長
1969年8月 - 福島県地方課長
1973年1月 - 建設省宅地政策課課長補佐
1975年4月 - 山口県財政課長
1979年3月 - 山口県総務部長
1982年7月 - 自治省固定資産税課長
1985年4月 - 自治省調整室長
1986年7月 - 自治省給与課長
1986年10月 - 自治省公務員第一課長
1987年7月 - 自治省企画課長
1989年7月 - 国土庁長官官房審議官
1990年6月 - 自治省大臣官房審議官
1990年6月 - 東京湾横断道路株式会社常務取締役
1994年4月 - 千葉市助役
2000年10月 - 千葉市助役を退任
2001年7月 - 千葉市長選挙に自民・公明・保守3党の推薦で出馬し、初当選
2005年7月 - 千葉市長再選
2009年5月 - 千葉市長を辞職
2011年3月 - 東京地裁が収賄罪で懲役2年6月（執行猶予4年）の有罪判決
2012年2月 - 東京高裁が控訴を棄却
2013年9月 - 最高裁が上告を棄却、判決確定

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