鶴田義隆

鶴田義隆は、1891年（明治24年）9月15日に生まれ、1945年（昭和20年）8月1日に生涯を閉じた日本の内務官僚です。彼は新潟県長岡市長としても知られています。

熊本県出身の鶴田は、1920年（大正9年）に東京帝国大学法学部を卒業後、司法官試補としてキャリアをスタートさせました。その後、浦和区裁判所検事代理を経て警察官に転身。警視庁警部や代々幡警察署長、地方警視、水戸警察署長などを歴任し、警察行政の現場で経験を積みました。

その後、鶴田は地方官僚として活躍の場を広げます。茨城県では事務官として社寺兵事課長を務め、福島県では特別高等課長として治安維持に当たりました。香川県では社寺兵事課長と知事官房主事を兼任し、兵庫県では商工水産課長として産業振興に尽力しました。また、富山県では都市計画課長、学務課長、社会教育課長を歴任し、地方行政の多岐にわたる分野でその手腕を発揮しました。さらに、新潟県学務課長、鹿児島県農務課長、地方課長、神奈川県商工課長、佐賀県学務部長、和歌山県学務部長、経済部長を歴任し、地方行政官としてのキャリアを積み重ねました。

1944年（昭和19年）、鶴田は青森県内政部長から長岡市長に転任し、戦時下の長岡市の舵取りを任されました。しかし、1945年8月1日の長岡空襲により、職務中に殉職しました。鶴田の死は、戦時下における地方行政の過酷さと、その中で職務を全うした人々の姿を今に伝える出来事として、記憶されています。

鶴田義隆は、激動の時代を地方行政官として生き抜き、その生涯を地方自治のために捧げた人物として、その名が歴史に刻まれています。

参考文献

日本官界情報社編『日本官界名鑑 昭和十二年版』日本官界情報社、1936年。
人事興信所編『人事興信録 第14版（下）』人事興信所、1943年。
帝国秘密探偵社編『大衆人事録 第14版』帝国秘密探偵社、1943年。
『日本の歴代市長 第2巻』歴代知事編纂会、1984年。

関連項目

羽仁潔 - 徳山大空襲で死亡した当時の徳山市長。
粟屋仙吉 - 広島原爆投下で死亡した当時の広島市長。

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