鶴見火力発電所

鶴見火力発電所の概要

神奈川県川崎市に位置する鶴見火力発電所は、東京電力によって運営されていた歴史ある火力発電所です。この発電所の初期の部分は、1940年代以前に設立された東邦電力の子会社としての経緯を持ちます。1955年1月、戦後初の新設石炭火力発電所である1号機の運転が開始され、さらに続いて複数の設備が建設されました。

主要な歴史的出来事

戦後の発展

1955年に1号機が運転を開始して以降、1958年には5号機が稼働し、これらの設備は「鶴見第二火力発電所」と呼ばれました。当初は石炭を燃料としましたが、安定したエネルギー供給を目指し、1973年に重油専焼へと切り替わりました。

廃止の決定

しかし、発電設備の老朽化が進む中、1984年に5基の発電設備が全て廃止されることとなりました。これにより、鶴見火力発電所は運営を終了し、その跡地は大川町の産業団地として再開発が進められました。公園内には、その歴史を伝える石碑も建立されています。

発電設備の詳細

廃止時の出力と設備構成

1984年6月の廃止時点では、鶴見火力発電所の総出力は44.5万kWでした。この中には、以下の発電機が含まれています。

• - 1号機: 定格出力6.6万kW、重油専焼（初期は石炭）, 営業運転期間: 1955年1月6日 - 1984年6月30日
• - 2号機: 定格出力6.6万kW、重油専焼（初期は石炭）, 廃止時期: 1984年6月30日
• - 3号機: 定格出力6.6万kW、重油専焼（初期は石炭）, 廃止時期: 1984年6月30日
• - 4号機: 定格出力6.6万kW、重油専焼（初期は石炭）, 廃止時期: 1984年6月30日
• - 5号機: 定格出力7.5万kW、重油専焼（初期は石炭）, 営業運転期間: 1958年12月24日 - 1984年6月30日

戦前設備について

発電所の歴史は戦前にさかのぼります。1923年12月に工事が始まり、1926年に初代1号機が6.6万kWで営業を開始しました。これが鶴見火力発電所の前身である「鶴見第一火力発電所」として知られますが、その後新しい発電設備の運営が始まることで、1965年に1号機と2号機は廃止されました。

歴史の中の出来事

発電所設立当初から、さまざまな出来事がありました。例えば、1925年には「鶴見騒擾事件」と呼ばれる土木建築の競争が発生し、地域との関わりをもたらしました。また、鶴見火力発電所は日本のエネルギー供給の一翼を担っていたこともあり、その影響力は広範囲にわたりました。

現在の状況

発電所の廃止後、跡地は大川町産業団地として再整備されています。この地域では、新たなビジネスや産業が生まれ、鶴見火力発電所の歴史を記憶しつつも未来への発展を目指しています。周辺には歴史を伝える石碑も設置されており、多くの人々にその重要性が認識されています。

鶴見火力発電所は、長い歴史の中で日本の電力供給に寄与してきた重要な施設でした。その歩みを振り返ることで、地域の歴史やエネルギー供給の変遷を知ることができます。

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