鷲型試作軽爆撃機

鷲型試作軽爆撃機について

鷲型試作軽爆撃機、通称2MB2は、三菱航空機によって大日本帝国陸軍のために開発された試作軽爆撃機である。この機体は、1925年に陸軍から命令された国産軽爆撃機の競争試作の一環として作成され、三菱社内では「2MB2」と名付けられた。

背景

1925年、大日本帝国陸軍は国産の軽爆撃機を開発するために三菱、中島飛行機、川崎造船所の3社に試作を指示した。これを受け、三菱は一三式艦上攻撃機（2MB1）の改造機と全く新規の設計である2MB2の2機種を提案した。その際、ドイツから招かれた技師アレクサンダー・バウマンの指導のもと、仲田信四郎技師が主に設計を担当し、1925年12月には試作機が完成した。

機体の設計と特徴

2MB2は、木材と金属を組み合わせた骨組みに、布を張った複葉機形式の機体であった。特に、W字型の支柱を持ち、アスペクト比が大きな一葉半の主翼が特徴的であった。また、降着装置は固定式である。試験飛行は各務原で行われ、機体の速度や搭載量が他の試作機を上回ることが分かったが、製造工程が複雑で、コストが高かったため、正式には採用されなかった。

評価と採用

一方で、同時に試作された2MB1は、その実用性が高く評価され、最終的に八七式軽爆撃機として制式採用された。2MB2は優れた性能を持ちながらも、その開発コストの高さから不採用となったことは、技術的な革新が必ずしも採用につながらない例を示している。

諸元

鷲型試作軽爆撃機の主要な諸元は以下の通りである：

• - 全長: 9.85 m
• - 全幅: 20.00 m
• - 全高: 4.10 m
• - 主翼面積: 上翼 44.0 m²、下翼 20.0 m²
• - 自重: 2,100 kg
• - 全備重量: 3,640 kg
• - エンジン: 三菱 イスパノ・スイザ 水冷V型12気筒（離昇600 hp） x 1
• - 最大速度: 210 km/h
• - 実用上昇限度: 6,000 m
• - 航続時間: 3時間
• - 武装: 7.7mm固定機銃 x 2、7.7mm旋回機銃 x 2、爆弾 800 kg
• - 乗員: 2名

結論

試作としての鷲型軽爆撃機2MB2は、そのユニークな設計と技術的特徴により、航空機開発の歴史の一部として位置づけられている。技術の進化とコストの問題を抱えながらも、このような試みは将来に向けた価値ある経験であり、次世代機の開発に寄与していくことになるであろう。

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