一三式艦上攻撃機

一三式艦上攻撃機

一三式艦上攻撃機（いちさんしきかんじょうこうげきき）は、大日本帝国海軍の艦上攻撃機であり、またの名を十三年式艦上攻撃機とも言います。略称はB1Mで、日本の航空機史において重要な位置を占めています。この機体は、1923年に試作機が完成し、一年後には制式採用されました。これにより日本初の本格的な艦上攻撃機としての道を歩むこととなりました。

開発の背景

一三式艦上攻撃機は、従来の艦上雷撃機における運用上の問題を克服するために設計されました。先代の十年式艦上雷撃機は三葉機であり、取り回しにくいという欠点があったため、複葉機の設計が採用されました。この新しい設計は、操縦士と後部銃座を有しており、戦闘能力を高めることに寄与しました。試作1号機の操縦性や一般性能が良好であったことから、正式に採用されました。

機体の特徴

一三式艦上攻撃機は、複葉構造を持つオーソドックスなデザインでありつつも、油圧式のオレオ主脚や逆ヨーイングモーメントを打ち消すフライズ型補助翼など、当時の最新技術が導入されていました。さらに、主翼の外翼は後方に折り畳める仕組みを持っており、多様な運用が可能でした。これにより、雷撃だけでなく、水平方向の爆撃や偵察任務でも活用され、その後の艦上攻撃機の発展においても大きな影響を与えることになりました。

運用と影響

一三式艦上攻撃機の本格的な量産は1923年から始まり、1933年までに444機が生産されました。その中には、エンジンの換装によるさまざまな型が存在し、指揮体制合理化の名のもとに二座から三座への改良も行われました。この改良は、航空隊の運用において必要な電信員の配置など、実際的な問題に対応するものでした。

彼らは第一次上海事変において主力艦上攻撃機として重要な役割を果たし、かつてなかった空中戦にも参加しました。このような実績から、一三式艦上攻撃機は雲海を駆ける日本海軍の先駆者となりました。後に、後継機として八九式艦上攻撃機が登場しましたが、その信頼性の低さから一三式は改良を受け継ぎながら、さらに活用されました。

その他の改良と試作

また、一三式艦上攻撃機の兵器としての適応可能性は水上機にも広がりました。双フロートを装備した試作機は、長距離水上偵察機へと改造されることもありました。さらに、民間旅客機としての改造も試みられ、MC-1旅客機の試作が行われましたが、視界の問題や旧式構造の不採用が影響し、軍用としての運用が中心となりました。

主要諸元

一三式三号艦上攻撃機の主要な仕様は次の通りです。全長は10.125メートル、全幅は14.78メートル（主翼は後方に折り畳み可能）であり、自重は1,750キログラム、全備重量は2,900キログラムです。エンジンはヒスパノスイザ製の水冷V型12気筒で、450馬力を発揮し、最大速度は198.1 km/hです。また、航続時間は約5時間で、武装としては7.7mm機銃2丁と18インチ魚雷または250kg爆弾2発を搭載することができます。乗員は3名で、その運用は多岐にわたっていました。二座から三座への移行は、運用効率を高めるための重要な改良とされています。

一三式艦上攻撃機は、艦上攻撃機としての役割を果たしつつ、後の航空機設計に対する影響を持った先駆的な機体として評価されています。

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