鷹7 (航空機)

鷹7について

鷹7（たか7）は、日本の航空史において重要な位置を占めるグライダーです。戦前から終戦を経て、1952年の航空再開直後に製造されました。この機体は、戦前の青航式鷹7型および戦後の霧ケ峰式鷹7型として知られています。1932年にドイツで開発されたグルナウ・ベビーIIを基に、戦前には白石襄治によって再設計されています。特に注目すべきは、1952年5月11日に公開飛行を行ったJA2001「日本電建号」であり、これは戦後初の登録グライダーとしても重要な意味を持っています。

機体の構造

鷹7の機体は、多くの木材を使用しており、特に主翼は木製羽布張りで構成されています。主要な構造にはヒノキと合板を用いたDボックス構造が採用され、エルロン取り付け部には後桁が設けられています。エルロンも同様に羽布張りであり、翼の強度を保つためのストラットが左右に1本ずつ配置されています。

水平尾翼も羽布張りで、主翼と同じくストラット支持の構造です。垂直尾翼は羽布張りで、舵の効きが若干弱いため、改良された機体も存在します。これにより、方向舵の面積の増加とともに、ピッチ、ヨーの安定性が向上しました。

胴体は木製合板によるセミモノコック構造で、開放式コクピットながらキャノピーの取付けが可能です。降着装置には、元々はスキッドのみでしたが、固定式の車輪を増設した機体も存在します。また、曳航フックの位置も調整され、操縦に影響少なく曳航が行えるよう改良されています。

鷹7は、加速度に対して+5G、-2.5Gまで耐えられる強度を持ち、簡単な曲技飛行が可能な第2種滑空機として位置づけられています。当時の初級および中級滑空機の訓練を経た上でのソアリング訓練に適した数少ない機種の一つでした。

JA2001「日本電建号」

1952年4月28日にサンフランシスコ講和条約が発効し航空主権が戻されたのを受け、萩原木材工業が製造したJA2001は、同年5月11日に玉川スピードウェイで開催された独立日本航空青少年大会で公開飛行を行いました。この飛行は自動車曳航によって実施され、愛称の「日本電建号」は、スポンサーである日本電建株式会社に由来しています。

その後、航空法の公布に伴い、JA2001は日本において最初の登録グライダーとなりました。運用は1959年頃まで続き、総飛行回数は1785回に達しています。運用終了後は、1960年に秩父宮記念スポーツ博物館に移管され、2002年には国立科学博物館に所蔵されました。2010年から2011年にかけて特別展での展示が行われ、2021年には新たに設立された科博廣澤航空博物館に展示されることとなりました。

現存機体

現存している鷹7は、当時の技術や設計理念を伝える貴重な資料となっています。さらなる比較のため、グライダーの諸元を以下のようにまとめました。

• - 乗員: 1
• - 全長: 6.06 m
• - 翼幅: 13.56 m
• - 空虚重量: 130 kg
• - 最大離陸重量: 222 kg

これらのデータからも、鷹7が当時の航空機として非常に革新的であったことがわかります。日本におけるグライダーの歴史や、鷹7の影響は今なお語り継がれ、多くの航空愛好家や研究者にとってのテーマとなっています。

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