鷺巣政安

鷺巣 政安（さぎす まさやす）について

鷺巣政安は1932年に東京都港区芝で生まれた日本のアニメプロデューサー及び演出家です。彼はアニメ制作会社であるエイケンで取締役やプロデューサーとして重要な役割を果たしてきました。政安の家族背景にも興味深い特徴があります。彼の兄は漫画家のうしおそうじで、ピー・プロダクション創業者でもあります。さらに、彼の甥は作曲家であり現在のピー・プロダクション社長である鷺巣詩郎です。

幼少期と職業の始まり

政安は幼少期、兄が東宝に勤務していたことが影響し、東宝の砧撮影所で遊ぶことが多かったと言われています。その頃には、俳優の中村メイコと知り合い、第六回の映画『姿三四郎』にエキストラとしても出演した経験があります。

戦後、兄の富雄が漫画家となったことを受けて、政安はアシスタントとして業界に足を踏み入れましたが、漫画制作には馴染めず、22歳でTCJ映画部に入社しました。TCJは後にエイケンとして知られることになります。彼はこの会社でCMアニメの製作に関わった後、テレビアニメの制作にも携わりました。

エイケンでのキャリア

エイケンでの政安の主な役割はプランナーとして、テレビアニメの企画や営業を担当することでした。彼はこの活動の中で、多くの漫画家や文化人と交流し、豊かな人脈を築いていきました。しかし、社内事情もあったため、プロデューサーとして実際に関わった作品は非常に限定的でした。代表作として、テレビスペシャル版『キャプテン』などが挙げられます。

また、彼は還暦を迎えた後もエイケンに嘱託として在籍していましたが、エイケンがアサツー ディ・ケイの傘下となったことを契機に退職。その後はフリーのコーディネイターとして活動し続けました。

プライベートと友情

政安は俳優の古谷敏と家族ぐるみの付き合いがある親友です。ピー・プロダクションが金鳥の蚊取り線香のCMでアニメ作画を担当した際に、仕事の人手が不足していたため、兄のうしおそうじが政安に助けを求めるというエピソードも存在します。政安は自分の業務に影響のない範囲で作業を手伝い、最終的にその制作を助けることになりました。

著書

政安は2016年に、「アニメ・プロデューサー鷺巣政安」と題した書籍を出版しました。これは彼の経験や業界への影響を詳細にまとめたもので、共著には但馬オサムが名を連ねています。ISBNは9784821144266です。彼の思い出や業界の発展についての洞察を求める人にとって、非常に価値のある一冊と言えるでしょう。

まとめ

鷺巣政安の人生は、日本のアニメ業界の発展と深く結びついています。彼の功績と人間関係は、アニメやエンターテイメントの世界に多大な影響を及ぼしてきたことは間違いありません。今後も彼の名前は、アニメ制作の歴史において重要な一章として語り継がれることでしょう。

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