鹿児島市交通局200形電車

鹿児島市交通局200形電車

鹿児島市交通局200形電車は、1964年に運行を始めた鹿児島市の路面電車で、もともとは大阪市交通局から譲渡された車両です。全部で6両（201 - 206号）が在籍し、鹿児島市交通局の近代化に貢献しました。

概要と製造過程

この電車は、1963年12月に製造が認可され、1964年2月に完成を迎えました。元は大阪市電の900形という半鋼製のボギー車で、流線型デザインが流行していた1930年代に製造されました。定員は60人で、当時の小型ボギー車として人気がありました。

900形は、その独特なデザインが特徴で、前面は角度が付いており、側面には「く」の字に広がる「提燈」と呼ばれるスタイルを持ち、大型の引き戸が備わっています。しかし、鹿児島市交通局に導入される際、車両のサイズを調整する必要があり、それに伴い大規模な改造が行われました。その結果、600形に似たデザインの正面3枚窓に改められ、いわゆる「鹿児島市電スタイル」へと変貌を遂げました。これにより、他の車両と比べてより幅広で小型の車体となりました。

背景と導入過程

1960年代の昭和30年代、鹿児島市交通局は老朽化した木製単車を廃止し、ボギー車の導入を進めていました。この時期、300形や400形の車体更新、また500形や600形、460形といった新型車両の増備が行われ、200形電車はその流れを受けて導入されたものです。増加する乗客に対応するための重要な施策の一環として、この新しい車両が投入されました。

運用状況とその短命

しかし、200形電車の運用は限られており、実際の営業線に登場する機会は少なかったようです。1967年からは元大阪市交通局の800形が増備され、ワンマン運転が導入されるなどの変化が進み、200形電車は置き換えの対象となりました。205号は1967年6月に事故により廃車となり、続いて201 - 204号と206号も1969年8月に運行を終えることとなりました。このように、営業年数はわずか5年と非常に短命なものでした。

関連車両

鹿児島市交通局200形電車は、大阪市交通局901形電車からの譲渡車両に位置づけられています。また、同世代の神戸市交通局200形電車や熊本市交通局380形電車とも関連があります。これらの電車は、当時の日本の路面電車の発展を象徴する存在であり、それぞれの地域で重要な役割を果たしていました。

200形電車の短い歴史は、鹿児島市における公共交通の移り変わりを映し出し、都市交通の発展に寄与した一つの例と言えるでしょう。

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