鹿児島市交通局600形電車

鹿児島市交通局600形電車

鹿児島市交通局が運営する600形電車は、1959年に登場した路面電車で、現在も多くの市民に利用されています。2025年現在、601号から603号、および605号から615号までの合計9両が現役で運行されています。

概要とデザイン

600形電車は、鹿児島市における交通の主力として、1959年に500形電車に次ぐ新しいボギー車として登場しました。デザインは大阪市電の3001形をベースにしており、前面には大型の窓が特徴的で、左右には小さな窓があります。このスタイルは後に鹿児島市電の標準デザインとなりました。全体的な寸法は拡大されており、特に側面の構造は500形電車と類似しつつ改良が加えられています。

600形電車は、従来の吊り掛け式モーターを使用しており、集電装置には円形のパンタグラフを装備しています。また、製造所や台車によって3つのグループに分類されています。

• - 601 - 604号: 1959年に日立製作所で製造された車両群。台車にはコイルバネ式のKS-115を搭載し、前面がもう少し狭いのが特徴です。主電動機は500形と同じSS-50を使用しています。
• - 605 - 612号: 1960年にナニワ工機が製造したバージョンで、鹿児島市交通局初の空気バネ台車であるNK-51を採用しています。
• - 613 - 616号: 1962年から1963年にかけて帝國車輛工業で製造され、こちらも空気バネ台車を搭載しています。

改造と進化

600形電車は、1967年から他の形式に先駆けてワンマン化の改造が行われ、1984年から1986年には冷房化が完了しました。613号から616号については、台車をNK-51形に交換されるなどの改造も施されました。1999年から2001年には大規模な更新工事が行われ、構造とデザインがさらに進化しました。

2012年には、開業100周年のイベントとして616号が観光用レトロ電車「かごでん」に改造され、新しい愛称が付けられました。観光電車としての役割を果たし、さらに多くの乗客を魅了しています。

イベント用車両としての利用

600形電車にはイベント用にカスタマイズされた車両もあります。1991年には605号がビール電車として改装され、2017年まで利用されました。このビール電車には、特設のカウンターやカフェ風の内装が施され、利用者楽しませました。さらに、610号はカラオケ電車「かごしま号」として一時利用され、特別なイベント時に使用されました。

廃車の歴史

多くの600形電車は素敵なデザインと乗り心地の良さから「鹿児島市電の顔」と称されましたが、維持管理の難しさから一部は廃車となりました。1994年から1995年にかけて数両が廃車となり、その後も新しい車両への置き換えによって徐々に姿を消していきました。

現在の状況

現在も601 - 603号、605号、611 - 615号は運行されており、今後もさらなる更新が計画されています。これらの車両は、鹿児島市の交通事情に欠かせない存在となっており、訪れる人々に地域の魅力を伝えています。

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