鹿児島相互信用金庫

鹿児島相互信用金庫

鹿児島相互信用金庫（かごしまそうごしんようきんこ）は、鹿児島県鹿児島市泉町に本店を構える信用金庫で、地域からは「相信」の愛称で親しまれています。1931年の設立以来、地域経済の発展を支える金融機関として、地元に根差した活動を展開しています。

歴史

その歴史は、1931年2月に有限責任鹿児島種苗信用利用組合としてスタートしました。その後、保証責任鹿児島相互信用利用組合、保証責任鹿児島相互信用購買利用組合と変遷を重ね、1950年には鹿児島相互信用組合に改組。同年には鹿児島商工信用組合との合併を経て、1951年、信用金庫法に基づき、現在の鹿児島相互信用金庫へと名称を改めました。

その後も、1955年に鹿児島企業信用金庫、2004年には川内信用金庫と合併し、規模を拡大してきました。2011年には本部を移転し、新たな体制でスタートを切りました。しかし、2018年には大規模な職員の不正行為が発覚し、金融庁から業務改善命令を受けるという、厳しい局面も経験しました。

地域貢献への取り組み

鹿児島相互信用金庫は、地域社会への貢献も積極的に行っています。特に、「そうしんビジネスイノベーション大賞」は、地域経済の振興を目的とした、特筆すべき取り組みです。2013年から始まったこの賞は、県内企業の優れた成果を表彰するもので、「食・アグリ部門」「エコ・環境部門」「その他部門」の3部門からスタートし、その後、「ビジネス・イノベーション部門」と「SDGs部門」が加わりました。大賞、準大賞、優秀賞、奨励賞、特別賞が授与され、地域経済の活性化に貢献しています。

過去の受賞企業には、以下のような企業があります。

第2回（2013年度）：
大賞：マトヤ技研工業
優秀賞：グローバル・オーシャン・ワークス、江藤建設工業
特別賞：重久工芸、やまた水産食品
第4回（2016年度）：
大賞：アネット有限会社
準大賞：羽子田人工授精所
優秀賞：にいやま園、ベガハウス
特別賞：大隅ミート産業、木原製作所
第6回（2018年度）：
大賞：ストーンワークス
準大賞：太洋花火
優秀賞：くすもと食品
奨励賞：栄電社
特別賞：特定非営利活動法人がんばろう高山
第7回（2018年度）：
大賞：南風ベジファーム
準大賞：樋脇精工
優秀賞：村商
特別賞：クルーシャル・クーリング・パフォーマンス
第8回（2019年度）：
大賞：大崎町衛生自治会
優秀賞：ＦＴＨ、社会福祉法人光陽会
特別賞：特定非営利活動法人ぷれでお

不祥事

職員による集団着服・不正行為

2017年12月に発覚した職員による着服事件は、同金庫の信頼を大きく揺るがすものでした。第三者委員会の調査の結果、2001年から2018年にかけて、職員23名が約5億4,000万円を着服していたことが判明しました。顧客の名義を無断で使用した定期積金契約やクレジットカードの不正利用など、悪質な行為が多数確認されています。この事件により、23名のうち9名が解雇、3名が停職処分となり、11名が依願退職しました。また、管理監督責任を問われた上司も減給や降格処分となり、合計144名という多数の職員が処分を受ける事態となりました。

幹部の指示による隠蔽と業務改善命令

さらに、この不正行為の発覚後、九州財務局の調査に対して、幹部が組織的な隠蔽を図ったことも明らかになりました。この隠蔽行為が発覚したことにより、2018年4月20日、金融庁は鹿児島相互信用金庫に対し業務改善命令を発令。5月21日までに改善計画を提出するよう命じました。

顧客の個人情報が記載された書類の紛失

また、2018年4月20日には、吉野支店で顧客の個人情報が記載された帳票など3,275件が紛失していたことも公表されました。紛失した情報には、顧客の氏名、金額、口座番号などが含まれており、2016年9月14日に誤って破棄した可能性が高いとされています。

考査契約違反

2013年と2016年の日本銀行による考査において、不正の事実を隠蔽するために虚偽の資料を提出していたことが発覚しました。この行為は考査契約違反とみなされ、日本銀行から管理態勢の改善状況を3ヶ月ごとに報告するよう求められることとなりました。

その他の不祥事

2019年12月25日には、鹿屋支店の職員が約9480万円を着服していたことが発覚。この職員は懲戒免職処分となり、刑事告訴の手続きが進められました。この事件では、15の顧客が被害を受け、被害金額は2003万円にのぼりました。金庫は弁済と残高の修正を行う対応をとっています。

まとめ

鹿児島相互信用金庫は、地域経済に深く根ざした金融機関として、長年にわたり重要な役割を果たしてきました。しかし、過去には職員の不正行為や情報漏洩など、深刻な問題も発生しています。これらの問題を教訓とし、信頼回復に向けた取り組みを続けています。今後の健全な運営と地域社会への貢献が期待されます。

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