鹿児島県第2区 (中選挙区)

鹿児島県第2区（かごしまけんだい2く）

鹿児島県第2区は、日本の衆議院におけるかつての選挙区の一つです。昭和時代の戦後初期にあたる1947年（昭和22年）に実施された第23回衆議院議員総選挙から設置され、その役目を終えるまで存続しました。この選挙区の定数は3名と定められており、廃止されるまでこの定数が維持されました。

区域の変遷

選挙区の区域は、時代の経過とともに変化しました。公職選挙法が制定された当初の1950年（昭和25年）時点では、川内市、薩摩郡、出水郡、伊佐郡、および姶良郡が含まれていました。その後、1952年（昭和27年）の公職選挙法改正を経て、新たに阿久根市が区域に加わっています。

さらに、選挙区が廃止される直前の1993年（平成5年）に行われた第40回衆議院議員総選挙の時点では、川内市、阿久根市に加え、出水市、大口市、国分市といった市部が増え、また薩摩郡、出水郡、伊佐郡、姶良郡といった郡部を含む、より広範な地域を対象とする選挙区となっていました。これらの変遷は、区域内の人口増や自治体の合併・新設などを反映したものと考えられます。

現在、かつて鹿児島県第2区だった地域は、新たな衆議院小選挙区比例代表並立制への移行に伴う区割り変更により、主に鹿児島県第3区と鹿児島県第4区の一部に分割・再編されています。

選挙結果の概要

鹿児島県第2区では、設置された1947年の第23回総選挙から廃止直前の1993年の第40回総選挙まで、計18回の衆議院議員総選挙が実施されました。

これらの選挙における有権者数は、初期の約31万人から、廃止直前の1993年には約36万人にまで増加しており、地域の人口増加傾向を示しています。投票率については、多くの選挙で70%台後半から80%台の高い水準を維持していました。例えば、1979年（昭和54年）の第35回総選挙では81.69%、1953年（昭和28年）の第26回総選挙では82.59%という高い投票率を記録しています。

一方で、最低投票率は1947年の第23回総選挙の70.16%でした。時期によって多少の変動はあるものの、全体として有権者の政治参加意欲が高い地域であったことがうかがえます。定数が3であったことから、複数候補が当選を目指し、しばしば激しい選挙戦が展開されました。

関連項目

鹿児島県第2区に関連する事項として、戦前に行われた選挙区「鹿児島2区」において、選挙結果が無効とされた「鹿児島2区選挙無効事件」（1942年）があります。これは本選挙区の直接の前身ではありませんが、同名の選挙区で注目すべき出来事として挙げられます。また、この選挙区は「衆議院選挙区一覧 (1947-1993)」に含まれる、戦後改革によって設置され、小選挙区比例代表並立制導入前に廃止された典型的な中選挙区の一つです。

鹿児島県第2区は、約半世紀にわたり鹿児島県北西部地域の政治的な意思を国政に反映させる役割を担いましたが、選挙制度の変更に伴い、その歴史に幕を下ろしました。

もう一度検索