鹿島新當流

鹿島新當流（かしましんとうりゅう）

鹿島新當流は、戦国時代に塚原卜傳高幹によって創設された日本の伝統的な剣術流派です。この流派は、剣術の表芸として多くの弟子に受け継がれており、その技法や歴史は非常に豊富です。ここでは、鹿島新當流の歴史、技法、系譜をご紹介します。

歴史

鹿島新當流は、塚原卜傳高幹がその創始者です。彼は実父の卜部覚賢から鹿島神流、養父の塚原城主土佐守安幹から天真正伝香取神道流を伝授されました。武者修行を重ねた卜傳は、鹿島神宮に千日参籠し、鹿島の太刀の膜下に秘めた極意を会得。その後、流名を鹿島新當流に改めました。このように、鹿島新當流は宗教的な背景と人々の信仰から発展した剣術として重要な位置を占めてきました。

技法

鹿島新當流の技法は大きく分けて三つの段階に分類されます。これらは「面ノ太刀」、「中極意」、および「大極意」です。

面ノ太刀（十二ヶ条）

• - 一ノ太刀から六ノ太刀
• - 相車ノ太刀、突身ノ太刀
• - 相霞ノ太刀、巴三ノ太刀
• - 柴隠ノ太刀、柳葉ノ太刀

中極意（七ヶ条）

• - 引ノ太刀、車ノ太刀、拂ノ太刀
• - 違ノ太刀、薙ノ太刀、乱ノ太刀、縛ノ太刀

大極意

高上奥位十箇ノ太刀（十ヶ条）：敵の接近を許さない技法から、心持ちに至るまでの様々な技術が伝授されています。

これに加え、外の物太刀として有馬無一剣や飛剣に関する技法も存在し、多様な戦術が展開されています。

系譜

鹿島新當流は全国的に広く学ばれ、さまざまな系統が存在します。始祖として国摩眞人が知られ、現在の65代目宗家は吉川常隆氏です。また、59代目の吉川大膳常應の門下から分かれた根三田派（槇村派）も存続しています。

このように、鹿島新當流は多くの著名な弟子を持つ一方で、流派の発展に寄与した多くの人々の存在がその歴史の深さを物語っています。

新当流に関する記述

北條時鄰の『鹿嶋志』は、新當流の起源を古代の鹿島の太刀に求めています。天児屋命の子孫として、国摩真人が神宮の祭神から一太刀の術を授かり、流派が成立しました。この後、塚原卜伝が一太刀の妙理を悟り、新當流の名を冠したとされています。

武道の発展においては、新當流が他の流派に多大な影響を与えたことも確認されています。たとえば、尾張柳生の流派は新陰流を立ち上げる際、新當流の教えを参考にしたとされます。

まとめ

鹿島新當流は、その豊かな歴史と奥深い技法を持つ流派として、日本の武道の中で重要な役割を果たしてきました。実践の場で数多くの弟子に受け継がれ、今もなお伝統の灯火が絶やされることなく、未来へと引き継がれています。鹿島新當流の精神と技術は、古き良き武道のエッセンスを今に伝え、受け継がれるべきものといえるでしょう。

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