鹿島臨海鉄道7000形気動車

鹿島臨海鉄道7000形気動車の概要

鹿島臨海鉄道7000形気動車は1992年に2両製造され、茨城県の大洗鹿島線用に設計されました。この気動車は、美しい自然環境を活かした観光の促進を目的にしたリゾート列車です。それに伴って、地域産業の活性化にも寄与することが期待されていました。資金は、茨城県に交付された電源移出県交付金が活用されており、製造は日本車輌製造が担当しました。なお、車両は茨城県が所有し、鹿島臨海鉄道に貸し出される形となっています。

車両の構造

車体の設計

7000形の車体は片運転台方式を採用しており、全長は21.0m、幅は2.990mの普通鋼製です。リゾートというテーマに沿ったデザインが施され、曲面を取り入れた前面は居住空間を広く見せる工夫がされています。前面窓には防曇機能付きの曲面ガラスを使用し、外観はアイボリーホワイトを基調に、アクセントに青色と赤色が施されています。

車内の構成

車内は、乗降扉を片側に設けており、850mmの幅を持つ自動片開き扉を使用しています。天井と壁面はグレー系統で整えられ、内装にはメラミン樹脂の化粧板が使用されています。客室はハイデッカー構造で、床面は1,330mmの高さとなっています。客室の仕切りには自動扉が設置され、案内表示装置も備わっています。さらに、客室側には大型液晶テレビなども搭載されており、7002号車にはカラオケ装置が設置されているため、旅の幅を広げています。

動力と性能

7000形は、新潟鐵工所製の6L13ASエンジンを搭載し、最高速度は95km/hに設定されています。液体変速機も装備されており、先頭車からの指令に基づいて変速操作が行われます。制動装置はA制御弁と空気ブレーキを搭載し、基本的な安全機能を確保しています。

空調と快適性

冷房は集中パワーユニット式で、停車中でも使用可能です。暖房装置は運転室と客室の両方に設けられ、快適な車内環境を提供します。換気装置も十分な能力を持って設置されています。

運用の歴史と現在

7000形は1992年の7月末から「マリンライナーはまなす号」として運行されました。しかし、1998年にこのサービスが廃止された後は臨時列車としてのみ利用され、2010年に運用を離脱しました。その後、茨城県に返却され、2015年には廃車となりました。現在は、筑西市のザ・ヒロサワ・シティで静態保存されており、その美しいフォルムを楽しむことができます。

参考文献

全文を通して参照した資料には、鉄道ファン誌や鹿島臨海鉄道の記念誌など、さまざまな情報が含まれています。

もう一度検索