鹿島鉄道キハ600形気動車

鹿島鉄道キハ600形気動車の概要と歴史

鹿島鉄道キハ600形気動車は、かつて日本の鹿島鉄道で活躍していた気動車です。元々は国鉄キハ07形気動車であり、1960年代には関東鉄道に譲渡された後、改造を受けて新たに登場した車両です。このシリーズには、他にも元キハ07形を基にしたキハ610形などがあります。

経歴と改造

キハ600形は、鹿島鉄道の前身となる鹿島参宮鉄道や常総筑波鉄道から譲受されたキハ07形の一部を基にしています。特に、42503および42504の2両は、関東鉄道によって改造されて、鉾田線用のキハ600形601、602となりました。これらの気動車は、1930年代に製造された半鋼製の流線型気動車で、当初は古典的な仕様で運用されていました。

しかし、1960年代から1990年代にかけて、時代に合わせた改造が行われました。具体的には、液体式変速機への変更、総括制御システムの導入、前部形状の改造、さらには冷房装置の搭載などが実施されました。これにより、これらの車両は大型車両として長期間にわたり運用され続けました。

キハ600形の運用は、2007年3月31日の鹿島鉄道線廃止とともに終了しました。運用当時には、製造から70年以上もの期間を経て営業運転に使用されていたため、日本国内の気動車としては最長の運用期間を持つ記録を達成しました。

保存と展示

キハ600形の601号車は、2009年に鉾田市内の温泉施設「ほっとパーク鉾田」に保存展示されています。一方、602号車は廃車後に解体されてしまいましたが、601号車は動態保存が行われており、多くの訪問者にその姿を見せています。

設計と仕様

元々は、キハ42000形気動車から派生したキハ600形は、流線型デザインを基本に持つ気動車でした。木製の床やベージュの壁面に仕上げられた室内は、58席を備え、定員は120名に達する大容量を誇りました。エンジンにはDMH17型水冷4ストロークディーゼルエンジンを搭載し、液体変速機であるDF115を介して走行します。

また、1987年からはワンマン運転に対応するための改造も行われ、運転台に様々な設備が追加されました。ついには1994年には冷房装置も搭載され、より快適な車両環境が整備されました。

結論

鹿島鉄道キハ600形気動車は、長い運用歴に裏打ちされた存在感を持つ車両です。近代化改造を経たにも関わらず、元々の特徴を残しつつ時代に適応してきたその姿は、今もなお鉄道ファンや訪れる人々に影響を与え続けています。

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