鹿島駅

鹿島駅は、福島県南相馬市鹿島区御前ノ内にある、東日本旅客鉄道（JR東日本）常磐線の鉄道駅です。

歴史

当駅は、1898年（明治31年）4月3日に私鉄である日本鉄道の駅として営業を開始しました。鉄道国有化の流れの中で、1906年（明治39年）11月1日には官設鉄道の所属となり、さらに1909年（明治42年）10月12日には線路名称が制定されたことにより、常磐線の一部となりました。戦後、1949年（昭和24年）6月1日に日本国有鉄道（国鉄）が発足すると、その所属駅となります。

駅の機能面では、貨物の取り扱いは1972年（昭和47年）10月2日に廃止され、その後、荷物の取り扱いについても1985年（昭和60年）3月14日に廃止されるとともに、駅業務が簡易委託化されました。国鉄分割民営化が実施された1987年（昭和62年）4月1日には、JR東日本の駅として新たなスタートを切りますが、1990年（平成2年）には再び直営の有人駅へと戻りました。

現代においては、2009年（平成21年）3月14日からICカード「Suica」の利用が可能となるなど、サービスの近代化も進みました。しかし、2011年（平成23年）3月11日に発生した東日本大震災では大きな被害を受け、駅の営業は一時休止を余儀なくされました。震災発生後の同年5月23日からは、代替手段として代行バスの運行が開始されました。駅と常磐線の運転再開は同年12月21日で、原ノ町駅との間の区間から営業が再開され、同時に代行バスの運行はその前日の12月20日をもって終了しました。その後、2016年（平成28年）7月12日に常磐線の運転区間が小高駅まで延伸した際、駅員の配置が見直され、鹿島駅は無人駅となりました。さらに、2024年（令和6年）10月1日からは、「えきねっとQチケ」サービスの提供が開始されています。

駅構造

鹿島駅は、地上にホームと線路が配置された地上駅です。ホームは列車が停車する部分が2つあり（相対式ホーム）、線路も2本あります。現在は原ノ町統括センターが管理する無人駅としての運営形態ですが、かつて有人駅であった時代の事務室空間は駅舎内にそのまま残されています。駅舎から各ホームへは、線路を跨ぐ跨線橋を利用して移動します。特に上り列車用のホームには、利用者が列車を待つ間の休憩スペースとして待合所が設けられています。

特急列車は鹿島駅には停車しませんが、貨物列車などがこの駅で行き違いや追い越しを行う場合があるため、他の主要駅と同様にホームの有効長（列車の停車可能な長さ）は十分に確保されています。駅舎内部には待合室が設置されており、ここでは乗車駅を証明する乗車駅証明書発行機、Suicaを利用するための簡易改札機、そして列車の運行状況などを確認できる多目的モニターが備え付けられています。

利用状況

東日本旅客鉄道が公表していたデータによると、2000年度から2015年度にかけての期間で、1日あたりの平均的な乗車人員の推移が示されていました。

駅周辺

駅のすぐ周辺は商店が立ち並ぶエリアとなっており、南相馬市鹿島区の中心部に位置しています。

バス路線

鹿島駅前には「鹿島駅前」というバス停が設置されており、ここからは福島交通相馬営業所が運行する路線バスが発着しています。かつては、東北アクセス（以前はらまち旅行）が運行していた、南相馬と仙台を結ぶ長距離路線バスも停車していましたが、2017年（平成29年）4月1日のダイヤ改正で全ての便が鹿島駅を経由しない特急（直行）便に変更されたため、利用できなくなりました。また、福島交通が運行していた地域内路線の一部、具体的には鹿島・牛島線、鹿島・栃窪線、鹿島・舘前線も、2021年（令和3年）10月1日のダイヤ改正をもって運行が廃止されています。

現在運行されている路線バスには、相馬営業所へ向かう「原町線」や、福島駅東口へ向かう急行の「南相馬 - 川俣・福島線」などがあります。

隣の駅

東日本旅客鉄道（JR東日本）
■常磐線
原ノ町駅 - 鹿島駅 - 日立木駅

もう一度検索