黄威

黄威（こう い、Huáng Wēi、生年不明 - 1877年）は、清朝末期に福建省で発生した小刀会の反乱における重要な指導者の一人です。黄位とも呼ばれます。

生い立ちと小刀会への参加

黄威は福建省泉州府同安県の出身です。彼は廈門において、天地会の一派である小刀会の首領となりました。1853年、一族の黄徳美とともに海澄で蜂起し、廈門を占領するに至ります。

反乱の指導者として

廈門を占領後、黄威は「漢大明統兵大元帥」を自称し、天徳という独自の年号を定めました。これは、彼が明朝の復興を掲げ、清朝からの独立を目指していたことを示しています。しかし、彼の勢力は清朝軍の包囲を受けることになります。

廈門からの撤退と各地での攻撃

清朝軍の包囲により、黄威の軍は食糧と弾薬の不足に苦しみ、最終的には海上へと逃れることを余儀なくされました。1854年以降、彼は晋江、廈門、香港、台湾などを攻撃しましたが、いずれも失敗に終わりました。これらの攻撃は、彼が依然として清朝に対する抵抗を続けていたことを示しています。

インドネシアでの居住と晩年

各地での攻撃が失敗に終わった後、黄威はインドネシアのスマランに居住しました。しかし、彼は故郷への想いを捨てきれず、1877年に密かに故郷へと戻りました。その後、彼は故郷で病に倒れ、そのまま亡くなりました。

参考文献

* 『中国歴史大辞典・清史（下）』、上海辞書出版社

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