小刀会

小刀会とは

小刀会（しょうとうかい）は、清朝時代に中国各地で活動した秘密結社です。その起源は1742年まで遡り、当初は互助的な組織として存在していました。主な活動地域は、江蘇省、安徽省、福建省、台湾などです。

結成と発展

当初の小刀会は、反清復明運動とは直接的な関係はありませんでした。しかし、1850年に陳慶真が廈門で天地会の分派として小刀会を組織したことが転換点となります。この新しい小刀会は、農民、遊民、手工業者、商人などの間で急速に拡大しました。名前は大刀会にちなんで付けられましたが、両組織間に直接的な関係はありません。

廈門小刀会蜂起

1853年3月に太平天国が南京を占領すると、その影響を受けて5月、福建省の小刀会も蜂起しました。黄威や黄徳美といった指導者の下、小刀会は龍渓、同安、廈門、漳浦を攻撃し、清の総兵曹三祝を討ち取ることに成功します。廈門を制圧した小刀会は政権を樹立し、黄威は「漢大明統兵大元帥」を名乗り、税の免除や太平天国との連携を宣言しました。しかし、太平天国との連携は実現せず、清軍の反撃により10月に廈門から撤退を余儀なくされます。その後、5年にわたるゲリラ戦の末、鎮圧されました。

上海小刀会蜂起

同じく1853年9月、上海でも小刀会が蜂起しました。この蜂起を主導したのは、広東省出身の劉麗川、上海青浦出身の周立春・周秀英、福建省出身の李咸池・陳阿林、上海出身の潘起亮などです。蜂起部隊の半数は広東出身者で構成されていました。小刀会は上海知県の袁祖徳を殺害し、上海道台・税関監督の呉健彰を捕縛しました。呉健彰は後にアメリカ人宣教師イェーツの援助で脱出します。小刀会は嘉定、青浦などの周辺地域を制圧し、豫園に司令部を設置。「大明国」の樹立を宣言し、劉麗川は「大明国統理政教招討大元帥」を自称しました。その後、「太平天国」への改称と洪秀全との連携を模索しました。

租界への影響

小刀会は、反清復明を目的とし、租界への攻撃は目的ではないと表明しました。このため、アメリカ、イギリス、フランスは中立を保ちました。しかし、この混乱の中で大量の難民が租界に流入し、華人と外国人の住み分けの原則は崩壊、租界は混住地と化しました。

泥城の戦いと鎮圧

1854年4月、清軍と欧米人居住者による駐軍・自警団との間で泥城の戦いが発生します。この戦いでは、周秀英率いる娘子軍が自警団側を支援し、清軍に300人の死者を出す大敗北を喫させました。この事態を受けて呉健彰は、上海の税関と租界の権益を条件に、アメリカ、イギリス、フランスに小刀会鎮圧への支援を求めました。12月、フランスは小刀会に宣戦布告し、翌1855年1月の北門の戦いにおいて、清軍は県城を攻略。周秀英が捕らえられ処刑されました。2月には、劉麗川が包囲を突破しようとしましたが戦死。残党の一部は鎮江へ逃れ、太平天国に合流しました。

関連項目

三合会

外部リンク

『小刀会』 - コトバンク

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