黄昏時鼎談

『黄昏時鼎談』は、わかつきめぐみ氏によって描かれた漫画作品で、1987年から1990年にかけて白泉社の『LaLa』本誌増刊である『LaLaスペシャルCindy』や『LaLa Club』で連載されました。単行本はJETS COMICSと白泉社文庫からそれぞれ全1巻で刊行されています。

本作は、基本的に1話完結の短編で構成されています。雑誌掲載時には「黄昏時鼎談SPECIAL」と題された第四話のみ、3つのショートストーリーで構成されています。各話では、「もののけ」などのファンタジー要素が巧みに織り込まれており、主人公たちが日常の中でふと気づきを得て成長していく姿が描かれています。作者のあとがきによると、物語の多くは旧校舎の取り壊しなど、作者自身の幼少期の体験がベースになっているとのことです。

第一話に登場する「もののけ」の子どもは、作者の過去の読み切り作品にも登場しています。具体的には、『LaLa』1984年6月号に掲載された「いきなりエスケープ」、『LaLa』1986年5月号掲載の「ぼくのとなり」、そして『LaLaDX』1987年クリスマス号に掲載された「ぼくのとなり・２　ふゆのおくりもの」などです。

各話のタイトルは以下の通りです（掲載誌は括弧内に記載）。

第一話 (1987年LaLaスペシャルCindy祝・進入学特大号): 人間の学校に通う「もののけ」の子どもとその父親の物語。
第二話 (1987年LaLaスペシャルCindy SUMMER号): 「家守」と、その家に引っ越してきた男性の物語。
第三話 (1987年LaLaスペシャルCindy AUTUMN号): 人里近くの山に住むいたずら好きな「狐」と捨て子の物語。
第四話 (1987年LaLaスペシャルCindy特別版):
下宿屋に引っ越してきた学生と隣人の物語。
魚が好きな少女と「月魚」の物語。
古い校舎で学ぶ男子生徒と、そこに現れた少女の物語。
第五話 (1990年LaLa SPRING CLUB): 古いランドセルを嫌がる男の子と「桜鬼」の子の物語。
第六話 (1990年LaLa SUMMER CLUB): 罰掃除を言い渡された女子生徒と「鏡魚」の物語。
第七話 (1990年LaLa AUTUMN CLUB): ピアノの練習が嫌で家出をしようとした女の子と「音楽会」に出演する男の子の物語。

単行本には、表題作である『黄昏時鼎談』に加えて、作者が1987年から1992年までに白泉社の『LaLa』、『Short Stories』、『LaLaDX』などに発表した以下の短編11作品が収録されています。

2.5D (1987年Short Stories SUMMER)
螺旋のユーウツ (1991年LaLaDX10月10日号)
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Earth Blue (1988年Short Stories SUMMER)
Forest Green (1991年LaLa4月号)
彼女の瞳 (1992年LaLaDX1月10月号)
伽南の森 (1991年花丸・秋)
くちなしの薫る頃 (1990年LaLaDX7月10月号)
春は花笑み (1991年LaLaDX4月10月号)
天つ水降り (1991年LaLaDX7月10月号)
* ONE WAY (1988年Short Stories SPRING)

これらの作品群は、わかつきめぐみ氏の独特な世界観と繊細な表現が堪能できる作品として、多くのファンに愛されています。

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