黄母衣衆

黄母衣衆について

黄母衣衆（きぼろしゅう）は、日本の戦国時代に存在した特別な武者集団で、豊臣秀吉が選抜した精鋭たちのことを指します。彼らは、秀吉から授与された特別な装束である黄色の母衣指物を着用することが許可されており、このことが彼らの名誉を示しています。

歴史的に見ると、黄母衣衆は織田信長の時代に発展した黒母衣衆や赤母衣衆の影響を受けており、秀吉はこれらを模範にして自身の軍団を編成したとされています。信長は近習から優秀な武者を選び、特別な地位を与えていましたが、秀吉も同様の方針を採用したことで、黄母衣衆が設立されました。

黄母衣衆に関する詳細な情報は、小瀬甫庵の著書『甫庵太閤記』や山鹿素行の『武家事紀』に記録されており、それぞれの文書には着用を許された武将の名が収められています。『甫庵太閤記』には、黄母衣衆の武士としての名が丸ごと記載されており、全体で24名が確認されます。一方、山鹿素行の文献では、長浜時代の黄母衣衆として7名、治世以降の黄母衣衆として22名が挙げられ、さらに秀吉が選んだ赤母衣衆からは4名が伝えられています。

また、太田牛一の『大かうさまくんきのうち』には、朝鮮出兵の際における黄母衣衆に関する情報も見られますが、残念なことにその時の母衣の種類については明記されていません。

これらの資料を通じて、黄母衣衆の存在は多くの戦国武将にとって非常に名誉なものであり、戦闘における重要な役割を果たしていたことがわかります。また、黄母衣衆の中には、後に赤母衣衆や腰母衣衆、大母衣衆へと転身した者もおり、彼らは秀吉の軍団の象徴的存在として歴史に名を刻んでいます。

参考文献として、桑田忠親による『太閤家臣団』が挙げられ、1971年には新人物往来社からの出版が行われました。また、国立国会図書館のデジタルコレクションには、黄母衣衆に関する資料が収められています。これらを通じて、戦国時代における黄母衣衆の歴史やその影響を知ることができるでしょう。

このように、黄母衣衆は豊臣秀吉の武士団として特別な存在であり、その記録は今日でも多くの歴史愛好家や研究者によって注目され続けています。

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