黎仁宗

黎仁宗（れいじんそう、レ・ニャントン）は、15世紀のベトナム、後黎朝大越の第3代皇帝です。黎邦基（れいほうき）とも呼ばれました。

幼少での即位と母后の摂政

黎仁宗は、太宗の三男として生まれました。1442年に父帝が急死すると、わずか2歳という幼さで即位しました。幼少のため、母である宣慈太后阮氏英が摂政として政治を代行しました。

チャンパとの戦い

在位中には、チャンパの侵攻が2度ありました。これを撃退し、1446年には黎可や黎克復に反攻を命じ、チャンパの王都ヴィジャヤを攻略する戦果をあげました。この戦いでチャンパ王マハー・ヴィジャヤを生け捕りにし、都へ連行しています。

宣慈太后の施政と国内の安定

宣慈太后の摂政下において、国内は比較的安定しました。1449年には田産章十四条を制定し、社会の安定に努めました。しかし、太后は讒言を信じ、功臣であった黎可や黎克復らを殺害したため、大臣たちの不満を引き起こしました。

親政と改革

1453年、黎仁宗は13歳で親政を開始しました。1455年には、潘孚先に国史の編纂を命じ、『大越史記続編』を完成させました。また、百官の俸禄と王侯の封地の法を改正するなど、政治改革にも取り組みました。

暗殺と悲劇的な最期

1459年、黎仁宗は長兄の諒山王黎宜民によって、宣慈太后と共に殺害されました。若くして即位し、親政を開始した矢先の悲劇的な最期でした。

黎仁宗の短い生涯は、幼少での即位、母后の摂政、チャンパとの戦い、そして暗殺という悲劇的な結末を迎えました。しかし、その在位中には国内の安定と政治改革への努力が見られ、後黎朝の発展に貢献した一面もあります。

関連作品

* 映画『ソード・オブ・アサシン』（2012年、ベトナム）

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