黎玄宗

黎玄宗について

黎玄宗（れいげんそう、レ・フエントン、ベトナム語：Lê Huyền Tông）は、後黎朝の大越中興期において第21代皇帝として君臨しました。彼の本名は黎維䄔（レ・ズイ・ヴー）、または黎維禧（レ・ズイ・ヒ）とも呼ばれます。

生涯の概要

黎玄宗は神宗の次男として誕生し、父帝が亡くなるとわずか9歳という若さで即位しました。そのため、彼の治世は実質的には他の権力者によって操られることとなります。特に、西定王の鄭柞が国政の全権を握ったため、黎玄宗は象徴的な存在に過ぎない「飾り物の皇帝」としての役割を果たすことになります。

この時期、国の政務はほぼ鄭柞に任されており、黎玄宗は実際には政治的な権力を行使することはありませんでした。

政治と政策

治世の中では、キリスト教が禁じられました。特に、景治2年（1664年）5月には燕郡公の范公著に新たな度量衡を制定するよう指示しました。これは、政権の安定と経済の整備を目指した重要な施策の一つです。

また、景治5年（1667年）には、宜国公の鄭根に命じて高平の莫敬宇を討伐する軍を派遣しました。この作戦は成功し、莫敬宇は清の雲南鎮安州に追い込まれることになります。これにより、国境の安全が図られ、名目上とはいえ国の尊厳が守られました。

終焉と後継

黎玄宗の治世は長くは続かず、景治9年10月15日（1671年11月16日）に彼は崩御しました。彼の死後、弟の黎維禬が新たに皇帝として即位し、嘉宗を名乗りました。これにより新たな時代が幕を開けることとなります。

まとめ

黎玄宗という皇帝は、彼自身の意思というよりは、当時の政権の変動や外圧に左右されながら、象徴的な役割を果たしていたことが特徴です。彼の治世は短命でありながら、重要な出来事がいくつかあり、後の時代に流れを与えました。

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