黎真宗

黎真宗について

黎真宗（れいしんそう、レ・チャントン）は、後黎朝大越中興期の第19代皇帝で、名は黎維祐（レ・ズイ・フー）または黎維禔（レ・ズイ・デ）としても知られています。彼の治世は、若くして皇帝に即位したことと、乱世への対処が特徴的です。

生い立ちと即位

黎真宗は、神宗の長男として生まれました。彼の人生は、父の神宗が清都王鄭梉からの脅迫を受けたことによって大きく変わります。陽和9年（1643年）10月、わずか14歳で皇位を譲られる形で即位しました。この時、彼は清都王の影響から逃れるために、父の意志を引き継ぐような立場に置かれました。

即位直後、黎真宗は父の他に目を向けず、鄭梉の娘を皇后に迎えました。この選択は、彼の治世において重要な意味を持つことになります。

政治的背景と反乱

即位後の黎真宗は、福泰3年（1645年）に西国公鄭柞の政策に対し不信を抱き、国政の手綱を彼に握られることに反発しました。その結果、彼の弟である扶郡公鄭櫟と華郡公鄭梣が反乱を起こします。しかし、彼らの試みは鎮圧され、黎真宗の政権は安定を保ちました。

その後も、黎真宗は治世を維持しようと奮闘しましたが、福泰6年（1648年）には鄭梉が広南の仁郡公阮福瀾を討つために御林軍を南下させるという大がかりな軍事行動に出ます。しかし、長育塁での戦闘では大敗を喫し、この敗戦は黎真宗の政権に打撃を与えることになりました。

衰退と崩御

それから数年後の福泰7年8月26日（1649年10月2日）、黎真宗は崩御します。彼には子がいなかったため、後を継ぐことができず、父である神宗が再び復位することとなりました。

黎真宗の短い治世は、彼が若くして即位し、さまざまな政治的困難に直面したことが印象的です。父の影響を受けながらも、政治的な試みや反乱との戦いが繰り広げられた彼の生涯は、後黎朝の歴史において重要な一頁を占めています。彼の治世は短命でありましたが、その影響や背景は後の時代に影響を与えることとなりました。

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