黒い看護婦

黒い看護婦

『黒い看護婦』は、森功によるノンフィクション作品で、2002年に発覚した福岡県久留米市における女性看護師4人による保険金連続殺人事件に焦点を当てています。この事件は「久留米看護師連続保険金殺人事件」として広く認知されています。

著者の森功は、事件発覚から判決までの約2年半の間、詳細な取材を行いました。彼は当時、『週刊新潮』の編集部員として働き、取材の成果を元にしたレポートを雑誌に掲載しました。その後、2004年11月に新潮社から単行本として出版されました。この作品は、事件の背後にある人間の心理や動機を深く掘り下げ、真実の姿を明らかにしています。

テレビドラマ化

この書籍は、2015年にフジテレビの『赤と黒のゲキジョー』枠でテレビドラマ化されました。ドラマでは事件当時の呼称を用い、「看護婦」というタイトルで統一されています。プロデューサーの黒沢淳は、事件の主犯が出廷した公判を傍聴し、衝撃を受けました。この経験から、彼は「カマキリのように男性を食いつぶしていく悪女」を描くことを決意したと言います。

主犯・田中直子役には、大竹しのぶがキャスティングされました。大竹は、2002年に別のドラマで強盗殺人犯を演じた実績があり、この役に最も適していると判断されました。ドラマ内で大竹は、従犯となる女性たちを巧みに操る「モンスター」でありながら、親しみやすい性格も持つキャラクターを演じました。撮影は2014年3月に福岡市や久留米市で行われました。

クレジット拒否問題

ドラマ放送の過程では、クレジット拒否騒動もありました。最初は土曜日に放送される計画でしたが、金曜日に変更されたため、制作した作品は74分に短縮される必要がありました。このことに対し、監督の平山秀幸は不満を持ち、自身の名前のクレジットを拒否することを選びました。撮影クルーも希望に基づきノンクレジットとなり、平山は番組サイトでの名前の掲載も断固拒否しました。この事件は『週刊文春』によって報じられ、フジテレビの社長も認める事態となりました。

ドラマの視聴率は6.6%でしたが、完成版のディレクターズカット版は2019年にCSチャンネルNECOで放送されました。

キャスト

• - 田中直子（主犯）：大竹しのぶ
• - 秋川美奈子（従犯）：寺島しのぶ
• - 村井香澄（従犯）：坂井真紀
• - 安藤康子（従犯）：木村多江
• - 安藤敦（康子の夫）：寺島進
• - 岩田（美奈子の不倫相手）：眞島秀和
• - 総婦長（大和第三病院勤務の総婦長）：木野花
• - 福原民代（康子の母）：白川和子
• - 直子の弁護士（国選弁護人）：森本レオ

スタッフ

• - 脚本：神山由美子
• - 演出：平山秀幸（ノンクレジット）
• - 製作：テレパック

『黒い看護婦』は、その衝撃的な内容と深い人間ドラマを描いた作品として、多くの読者や視聴者の心を捉えています。

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