黒ひげ大旋風

『黒ひげ大旋風』（原題：Blackbeard's Ghost）は、1968年に公開されたアメリカ合衆国のコメディ映画です。ウォルト・ディズニー・プロダクション製作、ロバート・スティーブンソン監督による作品で、個性豊かなキャラクターと軽妙な演出が魅力となっています。

物語は、主人公スティーブが赴任先の大学の陸上部へ向かう途中、黒ひげ海賊の末裔が経営する風変わりな旅館「海賊黒ひげ亭」に滞在することから始まります。この旅館は、古びていて経営は苦しいものの、どこか温かい雰囲気の漂う場所です。

そこでスティーブは、旅館のバザーで奇妙な湯たんぽを購入します。この湯たんぽには、黒ひげ海賊に関する謎めいた呪文が刻まれていました。好奇心から呪文を読み上げてしまったスティーブは、なんと本物の黒ひげの幽霊を呼び出してしまうのです。

現れた黒ひげの幽霊は、生前の悪行を悔い改め、善行を積まなければ成仏できないと訴えます。幽霊となった黒ひげは、意外にもユーモラスで、時に頼りない一面も見せます。スティーブは、黒ひげの幽霊と共に、閉鎖の危機にある「海賊黒ひげ亭」を救うため、様々な困難に立ち向かうことになります。

この過程で、スティーブは黒ひげの幽霊だけでなく、旅館の従業員や客たちとも出会い、友情を育んでいきます。幽霊を巡る騒動を通して、人間関係の温かさや、友情の大切さを描いた心温まる物語となっています。

出演は、ピーター・ユスティノフを始め、個性的な俳優たちが脇を固めます。彼らの軽妙な演技と、コミカルな展開は、ディズニー作品らしいユーモラスな雰囲気を作り上げています。また、特殊効果も当時の技術を駆使した見応えのある仕上がりとなっており、幽霊の描写も見どころの一つとなっています。

『黒ひげ大旋風』は、単なる幽霊話ではなく、友情や家族愛、そして人生の大切なことを改めて考えさせてくれる、心に残る作品です。ディズニー作品らしい温かい雰囲気と、テンポの良いストーリー展開は、老若男女問わず楽しめる内容となっています。

本作品は、1979年にはTBSの『月曜ロードショー』で放送され、広く日本の視聴者にも親しまれました。また、現在でもDVDやブルーレイなどで視聴可能です。ディズニー公式ウェブサイトや、映画情報サイトなどでも、本作に関する情報を見つけることができます。興味のある方は、ぜひ一度鑑賞してみてください。

スタッフとして、監督にはロバート・スティーブンソン、製作にはウォルト・ディズニーとビル・ウォルシュ、脚本にはビル・ウォルシュとドン・ダグラディ、音楽にはロバート・F・ブラナー、特殊効果にはユースタス・ライセットとロバート・A・マッティといった豪華な顔ぶれが名を連ねています。日本語版のスタッフも、演出にあずさ欣平、翻訳と録音はトランスグローバル、制作はDISNEY CHARACTER VOICES INTERNATIONAL, INC.と、高いクオリティを保つために多くの関係者が携わったことが分かります。原作はベン・ストールによるものです。

もう一度検索