黒土三男

黒土三男の生涯と業績

黒土三男（くろつち みつお）は、1947年3月3日に熊本県熊本市で生まれ、2023年3月25日に亡くなるまで、日本の映画・テレビドラマ界で名を馳せた脚本家兼映画監督です。彼は大学卒業後、木下惠介プロダクションにて助監督として活動を始め、その後フリーの脚本家として独立しました。

彼のキャリアは1978年にTBS系で放送された『コメットさん』にてTV脚本家デビューを果たしたことで始まります。この作品が彼の脚本家としてのスタート地点であり、その後も多くの人気作品を手がけることになります。1988年には、『とんぼ』や『うさぎの休日』などの作品で第7回向田邦子賞を受賞しました。

1989年、黒土は『オルゴール』で映画監督としてのデビューを果たしました。自身が監督した全ての作品において、彼は自ら脚本を手がけています。このスタイルは、彼が作品に込める情熱やメッセージを直接伝えようとする彼の姿勢を表しています。

彼はまた、山田洋次監督の『幸福の黄色いハンカチ』にも脚本家の一人として参加し、その後、山田監督を師と仰ぐようになります。特に長渕剛とのコラボレーションが多くあり、彼の主演作である『親子ゲーム』や『とんぼ』はその代表作として知られています。一方で、映画『英二』の演出を巡っては長渕と意見が対立し、その結果、互いに交流がなかったことも注目されています。

晩年には、庄内平野の米を応援する団体「庄内米ファンクラブ」の初代会長に就任し、地域振興にも貢献していました。2011年からは『水戸黄門』の脚本を担当し続け、愛知県豊田市に移住した後も、さまざまな作品を手がける姿勢を見せました。特に、豊田市を舞台にした映画「星めぐりの町」は、彼の最後の作品となり、2018年に全国公開されました。

彼の私生活においては、2022年に外出先で倒れ療養生活を送っていたが、2023年に多臓器不全によりこの世を去りました。享年76歳という短い人生でしたが、彼の遺した作品は多くの人々の心に残り続けることでしょう。

代表的な作品

テレビドラマ

• - コメットさん（1978年 TBS系）
• - ぼくらの時代（1981年 TBS系）
• - 親子ゲーム（1986年 TBS系）
• - とんぼ（1988年 TBS系）

映画

• - オルゴール（1989年）
• - 英二（1999年）
• - 蟬しぐれ（2005年）
• - 星めぐりの町（2018年）

舞台

• - おたふく物語（2016年）
• - 朗読劇「九十歳。何がめでたい」（2018年）

黒土三男はその創作活動を通じて、日本のエンターテインメント界に多大な影響を与えました。彼の作品は、時代や世代を超えて愛され続けることでしょう。

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