黒崎そごう

黒崎そごうについて

黒崎そごう（くろさきそごう）は、1979年に北九州市八幡西区のJR黒崎駅前に開店した百貨店です。この店舗は、そごうグループの10番目の店舗として位置づけられ、2000年までその存在を誇っていました。この店舗の開店により、そごうは北海道、本州、四国、九州という日本の4つの主要な島に店舗を展開した初の百貨店となりました。

歴史と開店の背景

黒崎そごうは、1975年に出店を表明し、1977年には株式会社黒崎そごうを設立しました。1978年には起工式が行われ、1979年10月6日には正式に開店を迎えました。開業時の広告には、当時人気のアニメ「宇宙戦艦ヤマト」を取り入れ、「まるで宇宙戦艦！」というキャッチフレーズが使用されました。このように、黒崎そごうは九州での知名度を向上させるために、広告や広報活動に力を入れる姿勢が見受けられました。

黒崎そごうは、川が流れるレストラン街が設置された初めてのそごう店舗とも言われ、その独自性が注目されました。また、黒崎そごうビルは正式にはメイト黒崎と呼ばれ、開業当初はショッピングセンターメイト黒崎という形で多くのテナントが入居していました。

経営破綻とその後

しかし、2000年7月、そごうグループが経営破綻を宣言し、黒崎そごうも例外ではありませんでした。老朽化による改善投資や耐震工事が必要となり、さらには北九州地域の商圏自体が縮小していること、競合となるコムシティの登場も重なり、事業の持続が厳しくなる一因とされました。その結果、2000年12月25日、黒崎そごうは閉店を余儀なくされました。

閉店後、黒崎そごうの跡地にはローカル百貨店の井筒屋黒崎店が移転し、2001年に新たな営業を開始しました。黒崎の中心地であるJR黒崎駅近くに存在したこのビルの一部が閉鎖されたことから、地域のイメージダウンを懸念する声もありました。

長い歴史の中での店舗の役割

黒崎そごうは、開店当初から221,000平方メートルの売り場面積を誇り、地域の商業や文化の中心として多くの人々に親しまれました。様々なブランドや専門店が並ぶ中で、家族での買い物や食事が楽しめる場所でもありました。特に、レストラン街や屋上ビアガーデンといったレジャー要素もお客様に好評を博しました。

また、黒崎そごうにはミキハウスや旭屋書店、マクドナルドなどの主要テナントも入っており、人々の日常生活に密接に関わっていました。

最後の店舗とその閉店

井筒屋黒崎店は2001年にオープンし、黒崎そごうの閉店後も営業を続けましたが、2020年4月に運営会社が経営破綻し、同年8月には閉店に至りました。これにより、あの繁栄を誇ったビルは再び空きビルの状態となりました。かつての商業の中心地は、今や過去の栄光を静かに語る場所となっています。黒崎そごうの歴史は、地域商業の変遷や人々の生活に与えた影響を考える上で、重要な位置を占めています。

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