黒澤満 (法学者)

黒澤 満（くろさわ みつる）

黒澤満は1945年1月17日に生まれた日本の著名な法学者で、特に国際法、軍縮法、国際安全保障の分野でその業績が高く評価されています。彼は大阪大学の名誉教授であり、日本軍縮学会の初代会長を務めました。2023年には瑞宝中綬章を受賞し、その学問に対する貢献が認められました。

経歴

黒澤は1969年に大阪大学法学部を卒業し、その後1976年には同大学院法学研究科の博士課程を修了しました。その後、新潟大学での講師職を経て、1978年に助教授に昇進しました。この期間に彼はアメリカのヴァージニア大学で客員研究員としての経験を積み、1984年には新潟大学法学部の教授に就任しました。1987年には安達峰一郎記念賞を受賞し、学界での地位を築いていきました。

1991年からは大阪大学法学部の教授として教鞭を執り、1994年からは同大学院国際公共政策研究科の教授も兼任しました。彼は1993年に博士（法学）の学位を取得し、研究の成果をあげ続けました。1995年からは核不拡散条約再検討会議に於いて日本政府代表団顧問を勤め、2000年、2005年、2007年と続けました。

また、長崎市平和推進専門委員会の委員としても活動し、核軍縮や国際平和に寄与する取り組みを続けています。1998年から2000年まで同大学の大学院国際公共政策研究科長を務め、その後も大学評議員として活動しました。2008年には大阪大学を定年退職し、大阪女学院大学で教授として教える立場に移りました。

黒澤は2009年に日本軍縮学会の初代会長に就任し、2013年までこの役職を全うしました。また、核不拡散・核軍縮に関する有識者懇談会の座長を務めるなど、多方面での活躍が見られます。2018年からは日本国際問題研究所の客員研究員としても活動しています。

著書

黒澤満は多くの著作を執筆しており、彼の専門である軍縮法に関連した重要な文献を数多く産出しています。主な単著には、

• - 『現代軍縮国際法』（1986年）
• - 『軍縮国際法の新しい視座――核兵器不拡散体制の研究』（1986年）
• - 『核軍縮と国際法』（1992年）
• - 『核軍縮と国際平和』（1999年）
• - 『軍縮をどう進めるか』（2001年）
• - 『軍縮国際法』（2003年）
• - 『核軍縮と世界平和』（2011年）
• - 『核軍縮入門』（2011年）

共著や編著の作品も多くあり、例えば「国際関係キーワード」（1997年）や「新しい国際秩序を求めて」（1994年）などがあります。また、訳書には軍拡と軍縮に関する外国の文献も含まれ、国際的な視野からの知識の普及にも貢献しています。

まとめ

黒澤満はその豊富な学識と実績により、日本の法学界において重要な存在です。国際法や軍縮法の発展に寄与し、委員会活動を通じて平和の実現に向けて力を尽くしてきた彼の功績は、今後も高く評価されることでしょう。

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